男性3人から合わせて1億5000万円以上をだまし取った罪などに問われた“頂き女子”に懲役9年の実刑判決です。判決が言い渡されると、被告が過呼吸をおこす場面もありました。

■“検察の求刑”に対し「ショッキングだった」

渡辺真衣被告(25)

 手記の中で「私にとって担当は、自分の人生の全てだった」「『人生に生きる意味をくれた』崇拝すべき人物でした」と記したのは、自身のYouTubeで「頂き女子りりちゃん」を名乗っていた、渡辺真衣被告(25)です。

販売していたマニュアル

 渡辺被告は、マッチングアプリなどで知り合った男性3人に好意を抱かせ、現金合わせて1億5000万円以上をだまし取った詐欺罪のほか、その手法をマニュアル化して販売した罪などに問われています。

渡辺被告(以前の取材から)
「だまし取ったお金は生活費を除いてすべてホストクラブに使い込んだ」
渡辺被告直筆の手記

 渡辺被告直筆の手記には、ホストへのめり込んでいく様子がつづられていました。

渡辺被告
「生きる意味って何なんだろ」

 父親からDVを受けていたという渡辺被告。派遣社員として就職しましたが職場になじめず、信頼できる友人もいなかったといいます。そんなときに出会ったのがホストクラブでした。

ホスト
「俺のエースになってよ」

 「エース」とはホストに最も金を使う客のこと。この言葉が渡辺被告に生きる意味を与えたといいます。

 ホストクラブに通うことで満たされていった心。一方で、使い続ける金を用意するため、渡辺被告は「頂き女子りりちゃん」へと変わっていきました。

 渡辺被告の取材を続けている記者によりますと、接見した渡辺被告は自身の行為について「軽はずみでやった」と話し、どこか他人事のように裁判に臨んでいたといいます。しかし、その認識が一変したのが“検察の求刑”でした。

認識が一変した“検察の求刑”
メ〜テレ 高岡晃広記者
「検察官から求刑13年というふうに言われた時に自分のしたことの重大さ、『判決を受け止めたい』とは言っていたんですけれども、13年っていうのは本人も『ショッキングだった』というふうには話していました」
ホストにまた行きたいか?

 記者が渡辺被告に手紙を送り「ホストクラブにまた行きたいか?」と尋ねると、「やだ」と返事がありました。