他の人は、あなたと違うものを桜餅と呼んでいるかもしれません。一体、何が“桜餅”なのか徹底取材です。

■人によって違う!?桜の季節に調査

 桜が見頃の季節に食べたくなる和菓子といえば“桜餅”。ほのかに広がる桜の香りが春の訪れを感じさせてくれます。

 あなたが食べている桜餅はどちらでしょうか。

30代の人
「つぶつぶの方が桜餅で、ロールは分からない」

20代の人
「(桜餅は)丸いお餅ってイメージしかない」

60代の人
「どっちかというとクレープみたいな薄い皮をピンクにした。あれがあんこの周りに包まれていて、葉っぱが付いている」

 実は桜餅とは一つではなかったのです。一体、どういうことなのでしょうか。

 マカロンよりもどら焼き、シュークリームよりも大福を食べるほどの筋金入りのあんこマニア。あんこが好きすぎて「にしいあんこ」の名前で活動をする「日本あんこ協会」の会長に聞きました。

日本あんこ協会 にしいあんこ会長
「全国で桜餅は食べられているが、実は都道府県によって、地域によって結構分かれる」

 桜餅は1種類だけじゃない。それはどういうことなのか…。

 あなたが食べている桜餅は少数派、それとも多数派。その答えは…。

■“桜餅”といったらドレですか?

 ほのかに広がる桜の香りと上品なあんこが特徴の桜餅。ですが、あなたが桜餅と呼んでいるものは、他の人は桜餅と呼んでいないかもしれません。

長野出身 60代の人
「道明寺と桜餅でしょ。こっちが普通の桜餅、こっちが道明寺」

■実は2種類!どっちが主流?

 実は桜餅には2種類あったのです。

 「道明寺」と呼ばれていて、「道明寺粉」というもち米をすり潰した粒状の粉を使い、ツブツブ食感が特徴の桜餅。

 もう一方の桜餅は「関東風」と呼ばれ、小麦粉を使った薄い生地であんこを包むのでしっとりしていて、口の中でとろける食感が楽しめます。

 なぜ2種類の桜餅があるのでしょうか。

日本あんこ協会 にしいあんこ会長
「全国で桜餅は食べられているが、実は都道府県によって、地域によって結構分かれる。今の時代はあんこスイーツにワクワクさせられる」

■桜餅といったら道明寺(関西風)?関東風?

 日本あんこ協会が全国調査を行ったところ、桜餅といえば道明寺(関西風)と答えた人が69.2%、約7割が桜餅は道明寺という結果に。

 さらに都道府県別で見てみると、道明寺(関西風)が主流という地域が西側を中心に多く、関東や東北では関東風と道明寺(関西風)が共存していることが分かりました。

愛知出身 60代の人
「おもしろいねー。やっぱり食は西から」

秋田出身 40代の人
「そういうこと?食は西から」

■どうして2種類あるの?どっちが主流?

 なぜ道明寺(関西風)と関東風という2種類の桜餅があるのでしょうか。

日本あんこ協会 にしいあんこ会長
「元々、桜餅は東京・墨田区の長命寺の近くでお店をやられている『山本や』が発祥」

 江戸時代、東京・墨田区にある長命寺の近くに住む男性が掃除をしていた時に桜の葉を塩漬けにしてあんこ入りの餅を包んだのが始まりだといいます。

 「長命寺」はこの店の桜餅の登録商標となっていて、小麦粉の生地の桜餅は一般的に「関東風」と呼ばれています。

 一方、道明寺(関西風)は…。

日本あんこ協会 にしいあんこ会長
「大阪の方で、藤井寺にある道明寺というお寺で桜餅が作られたのが道明寺の発祥」

 2つの桜餅がある理由は、大阪の道明寺と東京の長命寺の2つの寺で生まれた桜餅が関西風と関東風として全国に広がっていったということでした。

神奈川出身 50代の人
「ちょっと食べ比べてみたい」

関東出身 60代の人
「これから長生きするには桜餅を食べましょう。長命寺(が発祥)だけに」