JAXAは日本初の月面着陸に成功後、休眠状態になっていた無人探査機「SLIM」との通信を再開したと明らかにしました。月面の過酷な環境下で3回目の「越夜」に成功したことになります。

 JAXA=宇宙航空研究開発機構によりますと、SLIMとの通信が23日夜に再開され、3回目の「越夜」の達成を確認したということです。

 主要機能は維持していて、搭載しているカメラで月面の様子の撮影にも成功しました。

 月ではおよそ2週間で昼と夜が入れ替わり、夜の間は太陽光による発電ができなくなります。

 温度もマイナス170℃まで下がる厳しい環境で元々、SLIMではこれを乗り越える設計は想定されていませんでした。

 SLIMは1月20日に日本では初となる月面への着陸に成功しましたが、想定とは異なる姿勢で着陸したため太陽光発電が機能しない状態になり、1月31日に予定の運用を終了しました。

 その後、2月25日1回目、3月28日に2回目の「越夜」に成功し、3月30日に再び休眠状態になっていました。

 今後もSLIMの状態を確認し、月面の環境下での劣化の進行度合いなどを明らかにしていくとしています。