20日、国会で行われたのは政治とカネを巡る新旧総理の対決です。政治資金規正法改正の自民党案を巡り、野田元総理大臣が岸田総理大臣に「一番遅くて、一番内容がない」と詰め寄る場面もありました。

■政治とカネ巡り…新旧総理が対決

 今国会最大の焦点、政治改革の議論がスタートしたのですが…。

立憲民主党 野田元総理大臣
「遅すぎませんか。他の党は皆まとめているんですよ。一番遅かったのが自民党ですよ。一番遅くて、一番内容のないものを出す。これ、反省がないんじゃないでしょうか」

岸田総理大臣
「中身がないというご指摘がありましたが、政治家の責任の強化、透明性の強化等、再発防止に向けて実効的な案を提出することができたと考えています」

 国会に提出された自民党案と立憲民主党・国民民主党共同案です。党から議員個人に支給される政策活動費の廃止や企業・団体献金の廃止など、野党案の方がより踏み込んだ内容になっています。

野田元総理大臣
「例えば政策活動費は大玉の改革案、改革の対象じゃないですか。巨額なブラックボックス、そのブラックボックスを自民党はいくつかの小さなブラックボックスに分けると。顔を洗って出直してこいと、たんかを切りたくなるぐらいです。企業・団体献金、これ全く触れてないですね、自民党案。これ、なぜですか」

岸田総理大臣
「今回の事案において企業との癒着によって、行政・政策がゆがめられた事実が指摘されているものではありません。企業・団体献金、これは禁止するものではなくして透明度を上げるべきである。これが今回の事案に対する再発防止として最も重要であるという考え方に基づいて自民党の案をまとめた次第であります」

 その自民党案については、党内からも「国民の理解は得られない」との声が少なくありません。

 この週末、ANNが行った世論調査で岸田内閣の支持率は先月から5.6ポイント下がって20.7%。不支持率は9.1ポイント上がって再び60%を超えました。

 次の衆議院選挙で「政権交代を期待する」は52%となり、半数を超えました。

 岸田総理は信頼回復のため政治改革に強い意欲を見せていますが、現状、連立のパートナー・公明党とも折り合いがついていません。

 公明党は、政治資金パーティー券購入者の公開基準や政策活動費の使い道の公開方法を巡ってさらなる改革を求めています。

公明党 中川康洋議員
「国民の信頼を取り戻すという強い覚悟があるのか。改めて総理の強い決意と覚悟をお聞かせ願いたい」

岸田総理大臣
「政治資金規正法の改正、何としてもこの国会において実現をしなければならない」

中川康洋議員
「最も大事なのは、トップの熱量なんですね。このトップの熱量が感じられるかどうか、そこを国民は見ていると」

岸田総理大臣
「何としても成立させなければなりません。引き続き御党とも力を合わせて、また、野党の意見も伺いながら政治の信頼回復につなげて参ります」

 政治資金規正法の改正を巡って与党内、さらには与野党間でどう折り合いをつけていくのか、見通しは全く立っていません。