2024年は時計事業を始めてから50周年となる、カシオの記念すべき年。2月にリリースされたカシオ初の腕時計“カシオトロンQW02”の復刻限定モデル「TRN-50」は、早くもECサイトで完売となる人気ぶり。時計ファンの心をつかんだ記念モデルの魅力を担当者に聞きました。

●変わらぬ理想を体現する“時計のロマンの塊”

 カシオより2024年2月29日に発売された「TRN-50」は、1974年に同社が手がけた初めての腕時計「カシオトロンQW02-10シリーズ」を現代の技術で再現した復刻モデルです。

 長きにわたり“時刻への正確さ”を追求してきたカシオ。その姿勢を世界初のオートカレンダーを搭載し時計界を驚かせた「カシオトロンQW02-10シリーズ」から受け継ぎ、改めて世に示すことになった注目モデルの魅力について同社の担当者に聞きました。

 世界で4000個のみで限定生産された「TRN-50」。そのモチーフとなった「カシオトロンQW02-10シリーズ」は、電卓事業で培ったデジタル技術を発展させ1974年11月に発売されたデジタルウォッチです。

 復刻モデルの特徴についてカシオの担当者は「初代のカシオトロンは、カシオの初めての腕時計であると同時に、世界で初めてオートカレンダーを搭載したモデルです。

 復刻版の『TRN-50』では、初代のデザインや仕上げをはじめ、サイズなどを可能な限り忠実に再現。当時の開発思想であった“完全自動腕時計”を受け継ぎ、現代版モジュールのオートカレンダーを搭載しているのが大きな特徴です」と説明します。

 標準電波を受信して、現在時刻を自動で修正するマルチバンド6を搭載したこと。くわえてモバイルリンクや頻繁なバッテリー交換が不要のタフソーラーなど、カシオがこの50年間で築いてきた最新のデジタル技術を余すことなく実装しているのもTRN-50の大きな魅力です。

 手にとって見比べないとわからないほどよく似た初号機と新作。復刻にあたり苦労したのは、オリジナルモデルの設計資料が社内にほとんど残されていなかったことなのだとか。

「復刻事業をスタートさせたものの、パーツの形状や寸法を正確に記した図面すらありませんでした。そこで、設計に必用な数値は現存するオリジナルを3Dスキャナで測定することで数値化。

 オリジナルのデザインを正確に再現しました。シルエットは初代を踏襲しつつ、カシオの掲げる“時刻への正確さ”がより進化したことも時計ファンから評価していただけたと考えています」(担当者)

 オンラインショップではすでに完売となり、市中在庫を見つけたら即買い必須の人気となった「カシオトロンTRN-50」。

 幸運にも手に入れることができたユーザーからは、「文字盤の質感がいい」「昔からの時計好きにとってはロマンの塊だ」「ぜひ再販してほしい」という投稿がSNSで相次ぎ、注目度の高さを感じさせました。

 カシオの次の50年について担当者は「半世紀前から変わらず守っている“時刻への正確さ”を追求する姿勢を貫き、今後もユーザーの利便性を高めるような腕時計を開発していきたいですね」と話してくれました。

 初代カシオトロンから50年にわたり変わらずカシオが守り続ける“時刻への正確さ”は、今後も時計ファンのロマンであり続けるはず。アニバーサリーイヤーに登場すると予想される、魅力的な50周年記念モデルにも大いに注目したいところです。

●製品仕様
・型番:TRN-50
・価格(消費税込):6万3800円
・防水性:5気圧防水
・受信電波:JJY(日本) 40 kHz(福島局)、60 kHz(九州局)│WWVB(アメリカ) 60 kHz│MSF(イギリス) 60 kHz│DCF77(ドイツ) 77.5kHz│BPC(中国):68.5kHz
・電波受信方法 自動受信(最大6回/1日、中国のみ最大5回/1日)、手動受信
 ※ 受信できる環境と判断した場合、自動受信を行います。
・ワールドタイム:ワールドタイム5本:世界39都市(39タイムゾーン、サマータイム自動設定機能付き)+UTC(協定世界時)の時刻表示、ホームタイムの都市入替機能付き
※ スマートフォンとの連携により更新される場合があります。
・使用電源:タフソーラー(ソーラー充電システム)
・連続駆動時間:約11カ月(フル充電時からソーラー発電無しの状態の場合)
・パワーセービング状態の場合:約22カ月
・大きさ:42.7×39.1×12.3mm
・質量:約111g
・生産個数:限定4000個
・発売日:2月29日