メルセデス・ベンツの人気クーペSUV「GLCクーペ」に、最高性能モデルとなるメルセデスAMG「GLC63S Eパフォーマンスクーペ」が登場、日本で発売されました。どんなクルマなのでしょうか。

0−100km/h加速は3.5秒というスーパーカー並の加速力

 メルセデス・ベンツ日本は2024年3月29日、プレミアムミドルサイズSUV「GLC」のスポーツモデルとして「メルセデスAMG GLC63S E PERFORMANCE クーペ(GLC63SEクーペ)」を追加、発売しました。

 消費税込みの車両価格は1811万円です。

 メルセデス・ベンツ「GLCクーペ」は、DセグメントSUV「GLC」をベースにしたクーペSUVです。

 ベストセラーモデル「Cクラス」と同等の安全・快適装備を備えるとともに、プレミアムミドルサイズSUV「GLC」と同等の走行性能、利便性を実現しています。

 初代GLCクーペは2015年の上海モーターショーでコンセプトモデルが登場、翌年2016年3月に開催されたニューヨーク国際モーターショーにて世界初公開されました。日本でも2017年1月に登場しています。

 現行型は2023年3月にフルモデルチェンジした2代目です。日本でも2023年11月に上陸しています。今回登場した新型メルセデスAMG・GLC63SEクーペは、この2代目GLCクーペをベースにしたフラッグシップのパフォーマンスモデルとなります。

 新型GLC63SEクーペのパワートレインには2リッター直列4気筒ターボエンジンに交流動機モーター、自社開発の高性能バッテリー(6.1kWh)、それにAMGのパフォーマンス志向連続トルク可変配分四輪駆動システムの4MATIC+を組み合わせています。
 
 搭載されるエンジンはM139型。エンジン単体で476馬力・545Nmを発生するこのエンジンは、世界でもっともパワフルな量産4気筒エンジンです。

 これにアファルターバッハで開発された容量6.1kWhの高性能バッテリー、リアアクスルに搭載される定格出力109馬力・ピーク出力204馬力(最大10秒間)のモーターが組み合わされ、システム出力680馬力・最大システムトルク1020Nmを発生。

 組み合わされるトランスミッションはAMGスピードシフトMCT(9速AT)で、トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現しています。

 これらにより、0−100km/h加速は3.5秒というスーパーカー並の加速力を発揮します。

 このモデルはPHEV(プラグインハイブリッド)で、最大12kmのEV走行距離を発揮。たとえば住宅地に帰宅する際や朝早く出発する際などでは静かにEV走行が可能となっています。これらのパワートレインはメルセデスAMG ペトロナスF1 レーシングから派生したものといいます。

統合型車両運動特性制御システム「AMGダイナミクス」を標準装備

 駆動方式は完全可変式のAMGパフォーマンス4MATIC+前輪駆動システムです。

 後車軸でスリップが発生した場合、必要に応じて電気モーターの駆動力が前輪にも伝達され、トラクションが強化されます。完全可変全輪駆動の機械的接続は、プロペラシャフトと前輪のドライブシャフトによってこれを可能にします。フロント:リアの動力配分は50:50から0:100まで可変されます。

日本上陸した新型メルセデスAMG「GLC63S Eパフォーマンス クーペ」

 またAMGダイナミックセレクト(ドライブプログラム)は8つのモードを用意。ドライブモードによって、駆動システムとトランスミッションのレスポンス、ステアリング特性、サスペンションの減衰特性、サウンドなど、主要なパラメーターが変更されます。

 さらに新型GLC63SEクーペでは、統合型車両運動特性制御システムの AMGダイナミクスも搭載。

 これはESPの制御や、四輪駆動、電子制御式リミテッドスリップデフ(リア)を最適化することで、車両の安定性を損なうことなくアジリティを高めるものです。

 AMGダイナミクスの特徴はクルマがどのように反応すべきかを判断する能力を備えているということです。速度や横方向加速度、ステアリングの舵角、ヨーレートなどを検出するセンサーを利用し、高度なフィードフォワード制御を行うことでドライバーが望む車両挙動を先取りします。

 このため優れたコーナリング性能と最適なトラクション、それに高い安定性を伴う非常に信頼性の高いドライブフィールを得ることができ、しかもシステムの介入が乗員に気づかれたり、不快に感じられたりすることはありません。