通常は1編成あたり3両(1〜3号車)に自由席が設定される東海道・山陽新幹線「のぞみ」ですが、このGWは4月26日から5月6日まで、連続11日間が全席指定席となります。すでに年末・年始に行われましたが、大きな混乱もなかったことからこのGWも「のぞみ全席指定席化」となります。旅行を計画している人はどうすればいいのでしょうか。

GWの11日間は「並べば座れる」自由席がなくなる!

 コロナ禍が明けてはじめての年末年始となった2023年12月から2024年1月、JR東海およびJR西日本は、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」を「全席指定席」で運行しました。

 これまで3大ピーク期(年末年始・GW・お盆)の新幹線は、日付や時間帯によって指定席が早い段階で満席になってしまう、始発駅以外の駅から乗車した利用客が着席、さらには乗車そのものができないことがある、指定席を予約できなかった利用客が自由席に乗るために長い列を作り、乗降に時間がかかり、列車の遅れにつながるといった課題が挙げられていました。

 そこでJR両社は、これまで1編成あたり3両(1〜3号車)設定されていた自由席車両も3大ピーク期に指定席とし、指定席の供給数を1列車あたり約2割増やし、これら課題の解決を目指すこととしたのです。

 その年末年始は、全席指定席化による利用客の大きな混乱はなく、また「より多くのお客様にご予約・着席して、また、自由席車両に乗車するためにホーム等で長い時間お待ちいただく必要もなく、より快適にご旅行いただけました(JR東海・JR西日本のニュースリリース)」ことから、このGWも、予定どおり「のぞみの全席指定席」が行われることとなりました。

 では、具体的にはいつからいつまでが、全席指定席の対象となるのでしょうか。

 今年のGWは、カレンダーどおりであれば、4月27日(土)〜4月29日(祝)が3連休、平日を3日間挟み、5月3日(祝)〜5月6日(振休)が4連休となります。

 のぞみの全席指定席は、この連休の前日、4月26日(金)にはじまり、GW最終日の5月6日(振休)まで、連続11日間が対象となります。

 そしてこの期間中、自由席特急券を持つ利用者がのぞみへの乗車を希望する場合は、前回(年末年始)と同じく、「普通車のデッキ等に立席で利用する場合に限り、のぞみへの乗車が可能」「のぞみの指定席に着席した場合は、所定の指定席特急券が必要」となっています。

 なお、この全席指定席となるのは東海道・山陽新幹線とものぞみのみで、その他の列車種別(「ひかり」「こだま」「みずほ」「さくら」)については、通常どおり自由席が設定されます。

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 ではGW期間中、指定席の空席状況はどうなっているのでしょうか。

 この原稿を執筆している4月上旬現在、東海道・山陽新幹線ののぞみは、利用客増を視野に入れた臨時列車の設定もあり、GWのいずれの日においても、まだ空席が十分にある状況です。

全席指定席化されるのは新幹線「のぞみ」のみで、「こだま」「ひかり」「みずほ」「さくら」には通常どおり自由席が設定される

 ただこれからGWが近づき、また年末年始に続いて全席指定席となることが周知されると、3連休、4連休それぞれ初日の下り列車などを中心に、指定券の売れ行きが伸びていくものと思われます。

 もしGW中に旅行や帰省を計画しているのであれば、できるだけ早めに指定券を購入しておいたほうがいいでしょう。

 なお指定券は使用開始前かつ利用列車の乗車駅発時刻前であれば、1回目に限り、手数料なしでの変更が可能です。

 旅行のスケジュールが確定したときには空いている席がなかったという事態を避けるためにも、おおまかな予定が決まった段階で、まず指定券を購入しておくことをおすすめします。

 また指定券を買いそびれているうちにのぞみが満席になってしまった場合は、東海道新幹線であれば「ひかり」、山陽新幹線であれば「みずほ」「さくら」の指定券の購入を視野に入れましょう。

 東海道・山陽新幹線をまたいで移動する場合、これらの列車ではのぞみを通して乗るよりも時間がかかり、また乗り継ぎが必要になる場合がありますが、それでも「自由席特急券で立ちっぱなしののぞみのデッキ」よりも、快適な旅行ができるはずです。

 なおJR東海、JR西日本は、続くお盆の時期、さらには次の年末年始も、のぞみの全席指定席を予定しています。

 新幹線の指定券の発売時期は、乗車1カ月前(前月の同じ日)の午前10時からとなっていますが、東海道・山陽・九州新幹線のネット予約&チケットレス乗車サービスの「EXサービス(スマートEX/EX予約)」であれば、乗車1年前(前年の同日、一部の商品のみ)から予約が可能で、一定の条件のもとであれば、予約の変更も可能です。

 もしお盆、年末年始に帰省などで東海道・山陽新幹線の利用が決まっている人は、こうしたインターネット予約サービスを活用し、早めに指定券の手配を進めておくことを検討してみてはいかがでしょうか。