お笑いコンビ・バッドボーイズのボケ担当でおなじみの清人さん。地元・福岡の海沿いの町で過ごした幼少期の日常と家族のことをテーマにした漫画「おばあちゃんこ」を描き始めた。かなり特殊な家庭環境にあって、さらに身体に障碍を抱えながら、幼い清人さんを育てる哲子ばあちゃんがこの物語の主人公。



連載第12回の今回は、きよとさんと野良猫たちの、相思相愛(?)であるがゆえの苦い思い出を作者のおおみぞきよとさんに振り返ってもらいました。

■ボロ家だったから猫も気兼ねしなかったんじゃないですかね

――なんで、きよとさんの家には猫が集まってきたんでしょう?

そもそも野良猫が多い街ではあったんです。あと、人懐っこい子にはエサとかミルクをあげてたりもしたので、その影響はあるかもしれないですね。

――きよとさんが仲が良かった猫はマイケルだけだったのでしょうか。

いえ、初代マイケル、2代目マイケル、3代目マイケル……。
――マイケルだけでそんなにいたんですね(笑)。

それが全員、わざわざ玄関で死んでいったんですけどね……。良く言えば、最期の瞬間の場所に選んでくれたのかもしれないですけど、当時の僕からすると恐怖でしかなくて、嫌がらせじゃないか!?とすら感じていました。マイケル以外の猫も、どういうわけか毎年梅雨になると最低でも2匹は玄関でお亡くなりになられていて……。小学校3年生くらいからそれが始まって卒業まで続きました。

――でも、猫を邪険に扱わないきよとさんやきよとさんのご家族を愛していたんだと思いますよ。

まぁ、住みついてはいましたけど飼い主かというと微妙な関係で……。愛情でつながってたというより、ボロ家だったから猫も気兼ねしなかったんじゃないですかね。

――でも、かわいがっていた猫とはいえ、埋葬をするのは子どもには少し怖いですね。

家族みんなが僕に押し付けるんです。でも小学3年生の体力だと家の目の前の砂浜までしか抱えて行けないんですよ。やっぱり砂浜だと深く掘ってもすぐ出ちゃうというかモグラたたき状態で。ある時、近所の人に「出とるぞ!」と怒られて、それでまた埋め直したこともありました。……もう本当に恐怖でした。
――そんなきよとさんは今、猫にどんな感情があるんですか?

これが好きなんです、いまだに(笑)。猫嫌いになってもおかしくない環境や体験だったんですけどね。

穏やかで優しいきよとさんは、気性が荒めの野良猫たちにとっても心許せる数少ない存在だったんでしょうね。次回は貧しかったきよとさん一家のある日の食卓について語ってもらいます。お楽しみに!


■おおみぞきよと
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