中学生の頃から漫画を描いている腹ぺこ ららばいさんは、X(旧Twitter) で漫画を公開している。2023年11月には「夢見る四葉」と題した作品を投稿。女子高生が将来の夢に葛藤する心情がリアルに表現されている。今回は本作を紹介するとともに、本作が誕生した理由などについて、腹ぺこ ららばいさんに伺った。

高校生の幸はイラストレーターを夢見ていたが、自分には絵の才能がないことを自覚して、担任の先生との進路相談を機にあきらめてしまう。

幸には妹の夢見がいるが、病弱で長いこと入院生活を送っている。ベッドの上で本を読みながら笑顔の絶えない夢見だが、将来の夢をあきらめたばかりの幸は夢見のように笑顔になれず、思わず八つ当たりしてしまう。

二カ月後には全国高校美術展を控えているが、幸は夢見を傷つけてしまったことに罪悪感を感じ、作品作りが思うようにはかどらない。そんなとき、夢見の容体が急変して家族は病院へ向かう。

げっそりとした表情の夢見は「私…四葉が見たい…」と言うと、真夜中にもかかわらず幸は病院を飛び出して四葉のクローバーを探しに行く。やっとの思いで四葉のクローバーを見つけて急いで病院へ戻るが、夢見が目を覚ますことはなかった…。

悲しみの中にいる幸は、夢見を想いながら美術展の作品作りに没頭。そして、その作品はまさかの最優秀賞を受賞したのであった。

――本作が誕生したきっかけについて、お聞かせください。

現代は物理的な豊さや成功だけが幸せだと考えている人が多いと思い、「決してそんなことはない」と反論したいと思ったのがきっかけです。

――腹ぺこららばいさん自身、学生時代は主人公のように進路で迷った経験などはありますか?

主人公の悩みは、まさしく当時の自分そのものを描いています。同じように悩んでいる人たちに、この作品が届いてくれたらなと思っています。

学生時代は自分の進路について考える機会が多く、将来の夢と自分の実力とのギャップに夢をあきらめてしまう人もいるだろう。Xではほかの作品も投稿されているので、興味があればぜひ読んでみて!




取材協力:腹ぺこ ららばい(@harapekoLullaby)