毎年春になると日本へやって来るツバメ。住宅街や駅の構内など、人間にとっては思わぬ場所に巣を作るだけでなく、毎年同じ場所にやって来る姿を目にした人も多いのではないだろうか。そんな身近な野鳥の生態や習慣などを短編漫画で描いたpiro piro piccolo(@iirotorii)さんの漫画が話題を集めている。今回は、ツバメをテーマにした「住宅難のツバメたち」というエピソードに加え、作者のpiro piro piccoloさんに話を伺った。


■描いたきっかけは「人間社会の無理解」?

「野鳥を見たときの感動的なシーンやおもしろいシーンを残したい」と思い、漫画を描き始めたというpiro piro piccoloさん。「住宅難のツバメたち」を描いた経緯について、「『ここは流石に大丈夫では?』と思った道の駅でもツバメの巣作りを拒否されていたので、事実を伝えたいという点でも本作を描きました」と、意外なきっかけを明かす。

ツバメのリアルな描写が目を引く本作。piro piro piccoloさん自身バードウォッチングが趣味で、よく観察しながら野鳥の絵を描いているそう。本作に描かれていないツバメのエピソードを尋ねると、「ある日海岸で鳥を観察していたら、(おそらく南の方から)海を越えて渡ってきたツバメが現れたときは本当に感動しました!労いたい気持ちでいっぱいでした」と語った。

数多くの野鳥に関する短編漫画を描いてきたpiro piro piccoloさん。お気に入りの作品を尋ねると、「雨をシャワーに水浴びするキジバトの漫画です。嫌いな雨の日でもこんなキジバトが見られるかもと思い、ポジティブに捉えられるようになりました」と告白。身近にいるキジバトのそんな姿が見られるなら、たしかに雨の日が楽しくなりそうだ。

最後に、「人間の身近なところで観察できる生き物の中では『野鳥』は種類も多く、一生懸命な姿を観察しやすいと思います。 気づけるようになると、少しの外出でも景色が変わって見え楽しいので、是非野鳥を意識してみてください。私の漫画が少しでも参考になればうれしいです」と、読者へメッセージを寄せた。



取材協力:piro piro piccolo(@iirotorii)