ゴールデンウィークまっさかりの今、おでかけの合間や移動中、はたまた家でゆっくり過ごす時にも、スマートフォンやタブレットで読める電子書籍はぴったり。ウォーカープラスがGWにおすすめする漫画作品の中から、漫画家の大場玲耶(@ohba08)さんが描くオリジナル漫画「だから俺は家から出ません!」を、作者の大場玲耶さんのコメントとともに紹介したい。

■「家から出なければ幼馴染がくる」奇跡のズレで描かれる室内ラブコメ

「勇者様!? こ・・・これってそういう意味ですかっ?!」(双葉社)や「隠れオタクの恋愛戦略」(講談社)などの作品を手がける大場さん。同作は、「絶対学校に行かせたい女子」と「絶対学校に行きたくない男子」のラブコメ4コマだ。

幼馴染の黛(まゆずみ)アイカと「大人になったら結婚しようね」と約束していた莇想太(あざみそうた)は、中学卒業のタイミングで「そろそろつきあおう!」と告白。だが、アイカには「なんでよ?バッカじゃないの!」とバッサリ返され、ショックを受けた想太は高校進学から丸一年引きこもる生活が続いていた。

そんなある日、学校に行かなくなった理由であるアイカが想太の家を訪れ、「ひきこもりなんてさせない」と連れ出そうとする。しかし、引きこもっていれば毎日アイカがやってくると考えた想太は、家から出ない決意をますます強くし――、というすれ違いを描いたコメディだ。

Amazon Kindleの無料電子書籍で公開され、2000件を超える評価が集まる同作。もともとは4コマ誌での3話限定の短期連載作品で、本連載にならなかったものを大場さんが「結末をなんとしても描きたい」という思いから、個人制作として完結まで描いたものだという。

同作の前に戦国時代のラブコメを作っていたことから、「現代の普通の高校生のラブコメが描きたい」と考えたという大場さん。前述の通り短期連載作品でページ数には限りがあったことから、「全体を通して二人の目的と場所の縛りがあった方がわかりやすいと思い、『家から出ない』『家から出したい』という対立構造になりました」と作品のコンセプトを明かす。

そんな同作は、幼馴染二人のキャラクターと掛け合いが大きなポイント。大場さんは「当時は天然や大人しい女の子を描くことが多く、アイカちゃんはその頃の私の中にはないキャラクターでした」と振り返る。

「当時の編集さんに『勝気な小悪魔系を描いてみたら?』とアドバイスされ、描いてみたら不思議と何をどう考えて行動しているのか、スラスラ頭に浮かんでくるので驚きました。“根っこが超鈍感”というのは、元々の私の好みがうまく反映できてよかったです!」

現在も商業・個人制作ともに精力的な創作活動を続ける大場さん。個人制作として完結させた作品に読者から反響が集まったことには、「自分でも気に入っているとはいえかなり昔の作品なので、こんなにたくさんの方に読んでいただけていることにいつも驚いています。本当にありがとうございます!」と嬉しさをにじませた。

取材協力:大場玲耶(@ohba08)