【ネトゲのフレが亡くなった】顔も名前も知らない“フレンドの父”が「息子のことを知りたい」とログイン、一緒に旅をすることに…「滅茶苦茶泣ける」と大反響【漫画家に聞く】
■お父さんを疑う主人公の心の変化が重要と考えた
キャラクターの描き方でこだわった点を聞くと、「ゲームのキャラメイクですと、どうしてもバリエーションに限界があるので同じ顔のキャラと何度も出会うのはオンラインゲームあるあるなのですが、それでも人によって動かし方が違ってくると“別人”に見えていくという感覚があります」と解説。物語の序盤、誰も中に入っていない無表情のNPCコーラルを出すことで、本物コーラル、お父さんコーラル、との差別化をよりハッキリさせようとしたのだそう。
本作の舞台となる架空のオンラインゲーム「神獣オンライン」の世界観は、東南アジアをイメージしているとのこと。オリジナルの世界を描くうえでお気に入りの場面を聞いてみた。
「サガリバナのシーンです。博物館で資料を見てその美しさと儚さに静かに感動し、いつか漫画で描いてみたいと思っていました。本物をみる機会もできたらよいのですが」
不二丘いつきさんに本作で挑戦した手法などはあったのか聞くと、「今回はオンラインゲームを題材に、普段つながることがそうないであろう年齢・職業・住所がばらばらの人たちが交流していく楽しさ、そんな人たちみんなが抱える悲しみに、力を合わせて向き合っていく強さを描こうとしました」とコメント。
また、「お父さんを疑う主人公の心の変化が重要と考え、いつもより心情描写を多めに盛り込みました」と創作秘話を披露してくれた。最後に「沢山の人に楽しんでもらえたようでよかったです。子どもも大人も明日に希望をもてるような漫画を目指して、これからもコツコツ描いていきます」と、漫画家としての意気込みを語ってくれた。
取材協力:不二丘いつき(@fujioka2020)