静岡鉄道・音羽町駅からほど近い静岡市葵区にある清水山公園。静岡なら「しみず」と読みそうですが、なぜか「きよみずやま」と読みます。京都の清水寺と関係があるのでしょうか、調査しました。

通称「きよみずさん」

この辺りは地元では「きよみずさん」の愛称で親しまれています。

まずはとても広くて開放的な公園内を散策してみました。公園のシンボルとなっているのが滝です。

人口の滝ではありますが、その迫力は抜群。ここでヒントになりそうなものを発見しました。

テレビ静岡・小倉彩瑛アナウンサー：
滝の上に「清水の舞台」があるじゃないですか。雰囲気が本当に似ています

まるで京都・清水寺の舞台のような展望台。静岡市の街中が一望できます。展望台が公園の名前の由来なのでしょうか。

展望台からは静岡市街地が一望できる

すると、公園にいた人から有力情報が入りました。

市民：
そこのお寺が「音羽山 清水寺（おとわさん きよみずでら）」と言うんだよ。

公園の横にあるお寺が、京都の清水寺と全く同じ名前の「音羽山 清水寺」だと言うのです。実は音羽町という名前も音羽山 清水寺からきているのだとか。

清水寺で聞いてみた

清水山公園と確実につながりがありそうな清水寺を訪れてみました。

出迎えてくれたのは住職の榎本宏純さんです。清水寺と清水山公園、その驚きの歴史を教えてくれました。

清水寺・榎本宏純 住職

清水寺は永禄2年、1559年に建てられたお寺です。今川義元の兄にあたる今川氏輝の遺言で、この地にお寺を建てることになり、義元の指示のもと建立されたと言われているそうです。

清水寺・榎本宏純 住職：
少し荒廃してしまった時期があり、それをいまの形に再建してくれたのが徳川家康公です。京都の清水寺ととても地形が似ているということで、名前を清水寺と付けたと言われています

清水寺は今川とも徳川ともつながりがある寺でした。

京都の御所から見た東山の地形と、駿府城から見た谷津山の地形がとてもよく似ていたと言われているそうです。

実は全国に90以上存在する清水寺という名前のお寺。清水寺のネットワークにも加盟するなど、京都の清水寺とも親交があるそうです。勝手に名乗っているわけではないんですね。

「さん」が「山」になる

ではなぜ「寺」が「山」となったのでしょうか。

清水山公園はもともと、清水寺の境内でした。その土地を静岡市に寄付して、公園が作られたそうです。

もともと公園は寺の境内にあった

清水山公園は明治42年、静岡市第1号の公園として開設されました。

清水寺・榎本宏純 住職：
地域のみなさんに清水寺を愛称で「きよみずさん」と呼んでもらっていますが、漢字にしたときに「さん」が「山」になって、「きよみずやま」と呼ばれるようになったと言われています

親しみを込めて付けた「さん」が、「山」に変化したというのが答えでした。調べてみると、様々な歴史がわかった清水山公園でした!