トリノは、北イタリアのピエモンテ州の首都でもあり、1860年代はイタリアの首都でもあった歴史ある街です。権威のある貴族サヴォイア家の王都として栄え、現在も柱廊の通りや宮殿、広場など美しい大都市の面影が残る場所。トリノ発祥の美味しいものもあり訪れる人々を魅了しています。

観光地が街の中心に集まっているので、徒歩で有名なスポットが回れるのもおすすめの一つです。

この記事では、ミラノ在住の筆者が週末を利用して訪れたトリノの観光スポットをご紹介します。

トリノの街を散策して観光スポットを回ろう

トリノは日本からの直行便はないですが、ローマから飛行機でトリノ空港まで約1時間、ミラノから電車で約1時間の距離にあります。トリノの街は、コンパクトなので徒歩での移動も可能ですが、地下鉄や路面電車のトラムを活用するのもおすすめです。

カステッロ広場|Piazza Castello

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有名なカステッロ広場とその周囲の歴史的建造物から観光を始めましょう。

マダマ宮殿(Palazzo Madama)やトリノ王宮(Palazzo Reale di Torino)などの必見スポットがここにあるため、トリノ滞在中に見逃すことはできません。

カステッロ広場の反対側には、第2代アオスタ公エマヌエーレ フィリベルトに敬意を表した第一次世界大戦記念碑があります。

広場の周囲や近くの通りにはジェラテリア(アイスクリームショップ)やバールが数多くあるので休憩するのにもおすすめです。

トリノ王宮|Palazzo Reale di Torino

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王宮の正面玄関はカステッロ広場に面し、壮大な宮殿はトリノ滞在中に必見です。

建物は1646年に建てられ、1865年まで王室の邸宅として使用されていました。

現在、王宮内は美術館として使用されています。王立武器庫や中世の絵画コレクション、豪華な王宮の装飾が堪能できるスポットです。

王宮には、美術館を入館しなくても訪問できる庭園があります。季節の植物を眺めることができ、ベンチもあるので地元住民の憩いの場でもある場所です。

隣接している王立図書館(Biblioteca Reale)も見逃せません。約200,000冊の書籍の中には、イタリアを代表する巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチが残した作品が含まれています。

マダーマ宮殿|Palazzo Madama

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カステッロ広場にあるもう1つの美しい建物は、パラッツォ・マダーマです。バロック様式のファサードを持つ宮殿で、中世では城としても利用されていました。

内部にはトリノ市古代美術館があり 、陶器、絵画、彫刻などのコレクションが収蔵されています。

美術館のほか、この訪問のハイライトは間違いなく塔の頂上からの素晴らしい眺めです。

エレベーターまたは階段を利用して塔の頂上に到達すると、街並みとトリノのシンボルでもあるモーレ・アントネリアーナなどの素晴らしいパノラマを眺めることができます。

サン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂|Cattedrale di San Giovanni Battista

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サン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂は、キリストが処刑後に身を包んだ布「聖骸布(Sacra Sindone)」が保管されていることで知られています。

布には顔がぼんやりと映し出され、多くのミステリーが何世紀にも渡り受け継がれているスポットです。オリジナルは厳重に保管されているので、実物を見ることはできませんが、レプリカが公開されています。

大聖堂内は、ゴシック様式の建築で内部の細かい装飾や彫刻が美しく見応えがあるのでぜひ訪問してみてください。

サン・カルロ広場|Piazza San Carlo

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サン・カルロ広場は、トリノの主要な広場の1つです。

歩行者専用の大きくてエレガントな広場には、レストランやカフェが並び、アーケード内にはショッピングスポットもあります。

ミュージシャンが音楽を演奏する場所でもあるので、美しい音色に耳を傾け広場を楽しみましょう。

2つの教会「サンタ・クリスティーナ教会(Chiesa di Santa Cristina)」と「サン・カルロ ・ボロメオ教会(Chiesa di San Carlo Borromeo)」もありとてもフォトジェニックな場所です。

サン・カルロ広場では文化的なイベントも頻繁に開催されます。

モーレ・アントネリアーナ|Mole Antonelliana

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モーレ・アントネリアーナは、トリノのシンボルでもあり、イタリアのコインに描かれている2セントとして馴染みのある建物です。

現在は、国立映画博物館のある場所となっています。

館内には、展望台がありトリノの街を一望するのにおすすめスポットです。当日では、チケットが購入できない可能性があるので、チケットは数日前には公式サイトで購入しましょう。

トリノへ行ったら味わってほしい美味しいもの

トリノは、イタリア料理の宝庫としても知られています。トリノのあるピエモンテ州では、トリュフの収穫スポットとしても有名です。

ピエモンテ地方の豊かな農産物や牧畜業から生まれる食材を使った料理は、味覚を満たすだけでなく、目でも楽しませてくれます。また、トリノはワインの生産地としても有名であり、特にバローロやバルバレスコなどの赤ワインは世界中で高く評価されているのでぜひ味わってみてください。

旨味が詰まったピエモンテ牛「ファッソーナ」

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ピエモンテ牛「ファッソーナ(Fassona)」はイタリア牛ブランドとして知られています。

高品質なことから生肉のタルタルとして食べることも可能です。仔牛ピエモンテ牛をバローロワインで煮込んだ「ブラッサート・アル・バローロ(Brasato al Barolo)」もほろほろと崩れ落ちるやわらかい食感が味わえる見逃せない一品。

ニーチェも愛したホットチョコレートコーヒー「ビチェリン(Bicerin)」

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トリノ名物の一つには「ビチェリン」と呼ばれるチョコレートコーヒーの濃厚なドリンクがあります。ホットチョコレートとエスプレッソ、ミルククリームが3層になっているドリンク。コーヒーが苦手でも、甘いチョコレートとクリームでスイーツ感覚で味わうことができます。

おすすめのカフェは、1793年にオープンした老舗カフェ「Caffè al Bicerin」。

多くの著名人が訪れていたことでも知られているスポットで、哲学者ニーチェもこのカフェで味わっていたと言われています。店名にもなっている甘くてビターな「ビチェリン」を堪能しましょう。

■Caffè al Bicerin

  • 住所|Piazza della Consolata, 5, 10122 Torino TO
  • 営業時間|木曜日から火曜日8:45 AM–7:15 PM

https://bicerin.it/

お土産にピッタリ!ヘーゼルナッツのチョコレート

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ピエモンテ発祥のヘーゼルナッツ入りのチョコレート「ジャンドゥイオット(Gianduiotto)」。

日本のチョコレートと比べるとやわらかくしっとりした味わいが堪能できるのが特徴です。ピエモンテで収穫されたヘーゼルナッツをたっぷり使用した上品な甘さが人々を魅了しています。カフェやデパート、洋菓子店などで販売しているので見かけたらぜひ試してみてください。

おすすめは、トリノ発祥のチョコレートブランド「バラッティ&ミラノ(Baratti&Milano)」。1875年に創業したバラッティ&ミラノは、チョコレートショップ以外にカフェが併設されています。

アンティーク調の家具に囲まれたエレガントな空間の中、コーヒーやヘーゼルナッツを使用したチョコレートケーキを味わいましょう。

■Baratti & Milano

  • 住所|P.za Castello, 27, 10123 Torino TO
  • 営業時間|火曜日から日曜日9 AM–8 PM

https://www.barattiemilano.it/

北イタリアへ行ったらトリノを堪能しよう

豊かな歴史や芸術、美食が楽しめる魅力が詰まったトリノ。歩いて探索する楽しみや、美味しい食事やワインを味わう贅沢さは、多彩な魅力を持つ都市として、旅行者へ忘れられない体験を提供しています。

他にも、ヨーロッパ最大のエジプト博物館や中心地から離れた場所には世界遺産でもある宮殿「ヴェナリア・レアーレ」もあるので時間に余裕があったらぜひ足を運んでみてくださいね。

https://www.veltra.com/jp/europe/italy/


余暇プランナー:Shiho Yamaguchi