「こんなもの、チャイルドシートでも何でもないただのチェアベルト。絶対に買ってはいけないものです。売り方も悪質です」

 【映像】“チャイルドシートもどき”を装着して事故に遭った瞬間

 「チャイルドシート総合研究所」として、チャイルドシートに関する情報を発信しているアカウントによる怒りの投稿。

 投稿者は、かつてチャイルドシートの開発に携わっていたこともある男性だ。

 「2017年に国交省から未認証のチャイルドシートが流通していると注意喚起され、一旦淘汰されたが、去年ぐらいからまた出てきた」

 通販サイトでチャイルドシートを検索すると、様々なデザインや価格の商品がヒット。しかしその中には、子どもの身を守る機能が十分ではない“チャイルドシートもどき”も多く存在する。

 例えば、チャイルドシート「マット」やチャイルドシート「カバー」といった文言で販売しながら子どもを守る機能があるかのように紹介しているものや、「国際安全基準を満たす」などとしながら適合マークがついていない商品など、消費者に安全なチャイルドシートだと誤認させるような表記が見受けられる。

 また、「抜け出し防止」ベルトとして、子どもの安全を守れると謳う商品も存在。「チャイルドシート」としては販売していないものの、車の座席に装着した使用イメージ画像と共に、「チャイルドシートを使わたくないときは、これにしましょう」と怪しげな日本語で紹介している。

 では、どのように正しいチャイルドシートを選べばいいのか?

 前出の男性は「1つ前の安全基準である『R44』、そして現行の安全基準は『R129』、そのいずれかの確認がとれるものを必ず購入することが間違った製品を購入しない1番のポイントだ」と説明。

 万が一の事故の際、子どもの命にかかわるチャイルドシート。国土交通省は未認証のチャイルドシートへの注意喚起動画を公開している。

 「近年問題になっているのが、国の安全基準を満たしていないチャイルドシートがインターネット通販などにより販売され、少なからず流通していることです。調査したいずれのものも、自動車が衝突したときのチャイルドシートの役割はほぼ見込めません」(国土交通省 啓発ビデオ)

 交通事故を想定した実験映像では、安全基準に適合したチャイルドシートの場合、衝撃を吸収するとともに、ダミー人形をしっかりと拘束している。

 一方、安全基準に適合しないチャイルドシートの場合、ダミー人形は固定されず、前方に投げ出されてしまった。仮に投げ出されなかったとしても、腹部などを強く圧迫して、重篤な障害を及ぼすことになるという。

 国土交通省は、特設ページを設け、リコール情報や、安全基準を満たしたシートにつけられているマークなどを紹介。今年1月には、安全基準に適合しないと思われるシートの販売情報を受け付ける窓口を設置し、情報提供を呼び掛けている。
(『ABEMAヒルズ』より)