【MLB】ドジャース 2−7 レッズ(5月16日・日本時間17日/ロサンゼルス)

 ドジャーズファンには見どころの少ないゲームになってしまったが……大谷翔平投手とデラクルーズ内野手という二人のスーパースターが見せた快足ぶりは鮮烈な印象を与えたに違いない。

【映像】「洗練されている」大谷翔平“快速”盗塁の瞬間

 ドジャースの大谷はこの試合に「2番・DH」で先発出場。この日は2打数ノーヒットとバットでは冴えなかったが、ゲーム開始直後、足で魅せてくれた。

 1回裏のドジャースの攻撃。1死走者なしで打席が回ってきた大谷はレッズ先発の左腕、スーター投手と対戦。140キロに満たない緩い球をしっかりと見極め四球で出塁すると、その直後に牽制球が左もも裏に直撃するというアクシデントが。当たった直後は悶絶していた大谷だったが、笑顔を見せながらすぐに立ち上がってプレー再開。その後快足を飛ばして二塁への盗塁を成功。これで今季11個目、成功率100%という確実さも相まってファンも大いに喜んだ。

 そんな大谷に刺激されたのか、この日はデラクルーズも足で魅せてくれた。「今、メジャーで最もエキサイティングな選手」と評判のデラクルーズはこの試合でも「2番・ショート」で先発出場を果たすと、1回表にはすでに盗塁を決め、2点目のホームを踏むなどリードオフマンとして申し分ない活躍を見せていたが、その勢いは止まらなかった。

 3回表のレッズの攻撃。この試合の第2打席を迎えたデラクルーズははドジャース先発のグラスノー投手のカーブを逆方向に弾き返してエンタイトルツーベースヒットを放つと、続くフォード外野手の打席で三塁へ盗塁。ドジャースバッテリーはノーマークだったのか送球すらできず、デラクルーズはスタンディングの状態で三塁を陥れ、この後のタイムリーヒットで3点目のホームを踏んだ。

 驚いたのは5回表のことだった。第3打席を迎えたデラクルーズは四球で出塁すると、グラスノーが3番フォードに初球を投じたとともに二塁へダッシュして、ここも盗塁成功。これには飽き足らず、カウント2-1の場面でもデラクルーズは三塁へ盗塁。ここもあっさりと成功させて、今季30個目、自己最多となる1試合4盗塁を達成。この時もステアの振り逃げの際に生還して3得点目を記録した。

 これには実況のDJケチャップ氏、解説の福島良一氏も驚き。5回裏終了後の途中経過を見るところではデラクルーズに注目するVTRが流れ、このままのペースで行けば年間110盗塁にもなるというハイペースであることが紹介された。

 この後、デラクルーズは7回表の第4打席でも右打席からライト前にヒットを放ち、すかさず5度目の盗塁を敢行したがさすがにドジャースバッテリーが意地を見せ、セカンドでアウトに。今季5度目の盗塁失敗となったが、それでも成功率は.857と高い確率を誇る。

 大谷とデラクルーズ。ともにメジャーでもトップレベルのスピードを誇るのは間違いないが、ABEMA解説の仁志敏久氏は「デラクルーズ選手はスタート時に身体が起き上がるなど、技術的にはまだまだ。大谷選手の走塁のほうが洗練されている」と分析。ただ、裏を返せばデラクルーズにはまだまだ伸びシロがあるということ。仁志氏も「しっかりとした指導を受ければもっと良くなる」と太鼓判。現時点でも年間110盗塁ペースで盗塁を稼いでいるデラクルーズだけに、「底が知れない」とはこのことだろう。

 両者の足の競演を見た視聴者からも「やりたい放題」「大谷凄い」「デラクル楽しい」と興奮した様子のコメントが見られた。

(ABEMA『SPORTSチャンネル』)