宝石のような朝露まとう 和歌山・国内最小のハッチョウトンボ
体長は約2センチで、雄は赤色、雌は黒と黄色のしま模様が特徴。ネパールやインド、マレーシアなどの東南アジアからオーストラリアにかけて広い範囲に分布している。日本は北限分布地になる。
生息の条件は、湿地性の植物が生育する明るい湿原▽泥のある水深1〜3センチの水辺が広がっている▽湧き水などで絶えず水が確保されている▽水質はやや酸性▽汚染水の流入がない―などが挙げられる。
大谷湿田は、1992年にハッチョウトンボが大量に見つかり、2000年に町の天然記念物に指定するなど保護に努めている。
一方で、具体的な調査はしていないが、ハッチョウトンボの数が減っている。さらに、以前はいなかったとされるメダカが確認されており、対策している。
町の担当者は「観察する場合は木道からそっと見守ってもらえたらありがたい」と話している。