ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。3月末になってから寒い日が続き、ずいぶんと待たされた桜(ソメイヨシノ)の開花の便りがようやく聞かれ始めました。春ですね。


そのなか、国内女子ツアーに遅れること約1か月が経ち、あすから国内男子ツアーも「東建ホームメイトカップ」で開幕します。最近は男子でもどんどん若い力のある選手が出てきているのでとても楽しみです。

ところで、日本ゴルフツアー機構(JGTO)でも開幕直前の19日に社員総会が行われ、会長以下、執行部が一新されたというニュースが届きました。8年間、会長を務めた青木功さんはすでに退任を表明していたため、次の会長が誰になるのか注目が集まっていました。

ふたを開けてみたら、以前(14年前だそうです)JGTOで国際関係の副会長を14年間も務めたことのある諸星裕さんが会長、元日本プロゴルフ協会会長の倉本昌弘さん、選手会会長の谷原秀人さんの二人が副会長という新体制が発表されました。

シーズン中は試合がびっしり詰まっている女子ツアーと違い、男子ツアーは残念ながら試合数の減少がなかなか止まらず、苦しい状況に置かれています。ツアープレーヤーにとって試合というのは大切な“職場”なのですが、これがなかなか増えないのです。

私が理事を務めていた日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は、ツアーだけでなくティーチング部門(GBD)と2本の柱を持つ組織です。けれどもJGTOは、PGAからツアー部門だけが独立した組織。日本ゴルフツアー機構という名前の通り、ツアーを主管し、運営する団体です。“社員”はいずれもツアープレーヤー。試合をしっかり作り、維持することがより求められています。

諸星新会長を私は直接存じ上げませんが、記事や資料をいろいろと読んだり、話に聞いたりしたところでは、アメリカに住んでいらしたこともあり、オリンピック関連のお仕事も経験しているとのこと。JGTO副会長時代にも、他ツアーを始め日本以外のゴルフ関係者との関係も深かったそうなので、グローバル化が進む世界のなかで、日本ツアーの存在感を示してくださるのかもしれません。

米国男子ツアー、DPワールド(欧州)ツアー、そしてアジアンツアー、LIVゴルフへと男子選手の進出はびっくりするほど増えています。日本の試合がないから…という面もあるのでしょうが、もはやゴルフの世界は1つのツアーのなかでやる時代ではなくなっているとも言えます。

どこで戦うのかを選ぶのは選手自身です。今回、諸星新会長を選んだ選手会会長でもある谷原副会長、選手会アドバイザーとして間をつないだ倉本副会長らが率いる“新星JGTO”が、どのように選手たちの戦う場を広げてくれるのでしょうか。

何度か書いてきましたが、女子だけではなく男子ツアーとの両輪あればゴルフの面白さはより伝わると思っています。すぐに、というわけではなく時間はかかるかもしれませんが、新体制がよりよい男子ツアーを作って行ってくれることを楽しみにしたいと思います。

■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部で腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。


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