一生懸命振っているのに飛ばなかったり、体格はあるのにヘッドスピードが出ないなど、飛距離に関する悩みが尽きないのがアマチュアゴルファー。その原因はトップが低いことにあると、宮里藍の父でありコーチの優氏はいう。かつて世界ランキング1位にも輝いた宮里藍のように、高いトップから安定感のあるスイングをするにはどこに気を付ければいいのだろうか。


「まず正しいトップとは、シャフトが地面とも飛球線とも平行になっている状態をいいます。そして、その正しいトップを作るためのポイントが〝右ヒジ〟です。トップでの右ヒジの角度は90度が理想。そして上腕(ヒジから肩にかけて)は地面に対して平行になります。こうすると、クラブフェースが斜め45度を向くスクエアなポジションを実現しやすい。逆に右ヒジが鋭角に折れてしまうと、右ヒジが下がりトップが低くなる。シャフトは飛球線方向より左を指すので、フェースが天を向いたシャットフェースになってしまいます」

右ヒジの角度が悪く、シャフトが右や左を向いたトップでは、開いているフェースを戻したり、閉じているフェースを開いたりと、ダウンスイングで補正の動きが入る。この余計な動きがエネルギーロスを起こし、飛距離低下にもつながっているという。

「低いトップと高いトップでは、右ヒジをワキから切り離した高いトップのほうが、飛ぶ確率ははるかに上がります。だから宮里流では『トップは高く!』を提唱していますが、それはなぜか。高い位置に収めた右ヒジを、ダウンスイングで一気に右腰辺りの低いところ目掛けて締めていく。この高から低への落差がクラブヘッドを加速させ、飛距離をアップさせるのです」

一つ注意が必要なのは右ヒジの伸び。高いトップを意識するあまり右ヒジが伸びると、右ワキが開きすぎてフライングエルボーになってしまう。あくまで、右ヒジの角度は90度と覚え、チェックしながら実践して欲しい。

◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。

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