<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー 開幕戦 マイナビカップ 最終日◇17日◇成田ゴルフ倶楽部◇6349ヤード・パー72>

24歳のマイナビ ネクストヒロイン“ルーキー”が快挙だ。最終日に「68」をマークした向井七海が逃げ切り優勝。トータル8アンダーで初出場・初優勝を達成した。


伸ばしあいの展開となったバックナイン。トータル7アンダーで向井、同じく最終日最終組の池羽陽向、すでにホールアウトした佐渡山理理とアマチュア・臼井蘭世(らんぜ)が並んでいた。決めれば優勝のバーディパット。「気持ちよかったです(笑)」と5メートルを決めてニッコリ。仲間たちからの祝福を浴びながら、優勝カップを掲げた。

「まだ実感がないですけど、うれしいです。ファン投票で出させていただいて、みなさんにもらったチャンスなので優勝したいという思いで頑張りました」

大阪府出身。父の影響で8歳からゴルフを始め、中学時代は岡山県で過ごした。大阪商業大高に進学しゴルフの腕を磨いていたが、「ゴルフを続けるか悩んでいた」。1999年生まれの向井にとって、一つ下の後輩には西村優菜が在籍。さらに関西を見渡せば、古江彩佳や安田祐香などトップアマがそろっていた。「全国大会で成績が出せなくて、ナショナルチームの子が周りにいたりして、思い悩んでいました」とその時の心境を明かす。

それでも『大学でもう一回考えたらいいんじゃない?』という監督の言葉に後押しされ、ゴルフの強豪・東北福祉大に進むことを決意。そのなかでゴルフの楽しさを再確認した。「練習環境も良くて、ゴルフを続けたい、楽しいなと。活躍されているプロのみなさんを見て、わたしもそうなりたいなと思った」。4年生時にはキャプテンの大役も果たし、大学初の“団体戦4冠”を達成した。

「大学で鍛えられました(笑)。メンタル面、技術面、人間的な部分でも成長できた。自分を前向きにしてくれました」。いまは実家のある岡山県に戻り、プロテスト合格に向けてゴルフ漬けの日々。ひとつ年上の渋野日向子とも交流があり、ラウンドを一緒にする仲でもあるという。

周りの活躍を見て不安になった高校3年間、そして周りの活躍に後押しされた大学4年間。どちらも自身の糧になりながら、楽しく、そして一生懸命にゴルフを続けている。「これからもネクストヒロインは試合があるので、連覇、複数回優勝をできるように。そして弾みをつけて、プロテストに合格、ツアーで活躍できる選手になりたい」。東北福祉大カラーの“戦闘服”に身を包み、力強くこれからを見据えた。(文・笠井あかり)


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