ギャンブル依存症問題を考える会代表の田中紀子氏は4月15日、自身のX(旧Twitter)を更新。登山家の野口健さんへ同団体から抗議文兼要請書を提出したことを報告しました。

■「発言の撤回を求めます」
田中氏は「野口健氏による2024年4月12日のご自身のXへのポストは、ギャンブル依存症問題に関わる、当事者及び家族の団体の代表として、到底看過できるものではなく、抗議文兼要請書を出すことに致しました」と報告。続けて「野口氏にご一読いただき発言の撤回を求めます」と野口氏へ要望し、さらに「罪は罪として償い、誰にでも生き直す権利はあります」とつづりました。

事の発端は、12日に野口氏が更新したX。ロサンゼルス・ドジャース所属の大谷翔平選手の元通訳で、大谷選手の口座から24億円以上をギャンブルの返済に不正に当てた水原一平容疑者について、「『万死に値する』という言葉が頭を過るほどに罪深い」とポストしたことです。

「万死に値する」とは、「死をもって償うべき」や「死んで詫びるべき」などの、かなり強い意味が込められた言葉で、それが今回批判を浴びています。本記事執筆時点で、野口氏は当該ポストを削除したようです。同団体は、野口氏に対し、「令和6年4月21日(日)までに」ポストの削除を要求していたため、野口氏はそれに応えたのでしょう。

■「どんな人にも人生をやり直す権利があります」
田中氏が載せた「抗議文兼要請書」と題した画像には、「水原一平氏の行動は、ギャンブル依存症の当事者の行動として決して特殊なものではありません」「水原一平氏がギャンブル依存症であったとしても、ギャンブル依存症は回復できる病気です。そして、どんな人にも人生をやり直す権利があります。現実に、ギャンブル依存症であっても回復を遂げて、新たな人生を歩んでいる方は沢山います。したがって、水原一平氏がギャンブル依存症から回復し、人生をやり直すことは、絶対に否定されるべきことではありません」などと書かれていました。