「chelmicoはカラオケでRIP SLYMEを歌って仲良くなった」「chelmicoはカラオケに集合して制作をしている」「chelmicoはマクドナルド生まれカラオケ育ち」。chelmicoで検索しようもんなら、予測変換のひとつめにカラオケが出てくるんじゃないかってくらい、カラオケと縁がある。というか勝手にお世話になっている。とにかくchelmicoはカラオケ好き。今でこそカラオケに行こうもんなら我先にと歌ってるけれども、実は昔は大の苦手だった。私の家族は歌うことを嫌がるし(聴いたことないからわからないけど音痴らしい)、カラオケに行く文化が全くなかった。なにより私はめちゃくちゃにシャイ。ピアノの発表会も泣きながらボイコットするくらいにシャイ。だからカラオケという個室で、気の置けない人とだとしても、人前で歌うなんてことは考えられなかった。

小さい頃、近所に住んでいた4つ上のアッコちゃんという子がいた。メイクを教えてもらったり、一番イケてるプリクラの落書きの仕方を伝授してもらったり、とにかく私はアッコちゃんによく遊んでもらっていたし、憧れの存在だった。そんなアッコちゃんは歌うことが大好きで、私が小4くらいの時に初めてカラオケに連れてってもらったんだけど、アッコちゃんは早々に“ラルク”やら浜崎あゆみやらすごく上手に歌ってて、シャイな私はそれをストロー咥えながら見てるだけ。モジモジしまくってる私を見兼ねたアッコちゃんは、自分は全然歌えないけどつって無理やりRIP SLYMEの「JOINT」を入れて、私にもマイクを渡すわけ。「ラップとかできないけど、とりあえずやってみるわ!」なーんて言いながら歌ってる姿を見て、あぁ別に自分が好きなように歌えばいいんだなぁって衝撃を受けてね。そんで私も一緒に大きな声で歌ったら「ラップうま!」なんて褒められて。それからはもうみるみるカラオケにハマって海外の曲とか、全然歌えないのに入れてみたり。カラオケでもなんでも、自分から楽しみにいく力を身につけるぞ! と思わせてくれたのよね。初カラオケがアッコちゃんでよかったなって、人前で歌う仕事をしているいま強く思うな〜。ってことで、私は初カラオケから今の今までRIP SLYMEの「JOINT」が勝負曲。全部の思い出込みで、マジ負けない。今度みんなでカラオケ行こ

チェルミコ 左・Rachel(レイチェル) 1993年生まれ、神奈川県出身。右・Mamiko(マミコ) 1996年生まれ、東京都出身。2014年にchelmicoを結成。ドラマ『恋愛のすゝめ』のオープニングテーマ・デジタルシングル「Question」が発売中。

※『anan』2024年3月6日号より。写真・幸喜ひかり ヘア&メイク・ナリタミサト

(by anan編集部)