海外が注目した場外での交流

 ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、王者・井上尚弥(大橋)がWBC1位の指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回1分22秒TKO勝ちした。34年ぶりに開催された東京Dボクシング興行の場外では、日本のボクシングファンがこの興行で敗れた海外選手に対して“リスペクト”を見せるシーンも。トップランク社の広報担当者が写真を公開すると、海外ファンから「本当に感謝している」と称賛されている。

 東京ドームの場外に黒のジャージー姿で現れたのは、セミで武居由樹(大橋)に判定で敗れ、WBO世界バンタム級王者から陥落したジェイソン・マロニー(オーストラリア)。日本人ファンから握手を求められ、さらにマロニーと交流しようというファンの列もできた。周囲も大騒ぎすることなく、マロニーを見つめている様子。自国である日本の挑戦者と戦った海外の王者に対しても日本のボクシングファンのリスペクトが垣間見えるシーンだった。

 米興行大手・トップランク社の広報担当エバン・コーン氏は自身のX(旧ツイッター)で「ジェイソン・マロニーに敬意を示す日本のファンたち」と記し、その様子を公開。海外ファンからは「日本の観客は静かだとか、エネルギー不足だとか、批判する人がたくさんいるのは知っているが、特に自国のボクサーに対しての対戦相手へどれだけ敬意を払っているかは、本当に感謝している。米国だけでなく世界中が彼らから学ぶことができると思う」と、日本人ファンの姿勢を称賛する声が上がった。

(THE ANSWER編集部)