衝撃の逆転TKOから一夜明け会見

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が7日、4団体防衛から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は34年ぶりの東京Dボクシング興行で指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回1分22秒TKO勝ち。初回に試合では人生初ダウンを喫したものの、直後に取った“回復行動”について「冷静にできました」と自身で解説した。

 井上は初回、ネリの左フックを被弾。試合ではまさかの人生初ダウンを奪われた。それでも冷静さを失わず、2回はネリの打ち終わりに狙いすました左フックでダウンを奪い返すと、5回終盤にはロープに詰められたが、左フックで2度目のダウンを奪った。決着は6回。井上の連打でネリが3度目のダウンを喫し、レフェリーストップとなった。

 試合の流れを失いかねなかった初回の大ピンチ。井上は試合後のリングでダウンもイメトレしていた、といった旨の発言をしていたが、この日の会見では「しっかり8カウントまで膝をついて休む。その数秒が大事。本当にそういうシーンが訪れたらというのを日頃から考えるようにしている。それが咄嗟に出る。あれですぐに立つとふらつきが残る。冷静にできました」と改めて振り返った。

 試合を独占生配信したAmazon プライム・ビデオで解説を務めた元世界3階級制覇王者・長谷川穂積氏も「初ダウンであれができるのは、彼はこういうピンチも来るかもしれないと。僕らが想像しているだけで、彼は彼なりにいろんなものと戦っているんだと思います」と絶賛した冷静なリカバリー。井上の周到な準備が際立った形だ。

(THE ANSWER編集部)