住宅購入時には、立地や間取り、設備の充実など、かなえたい希望は尽きることがありません。しかし、限りある予算ですべてを実現することは難しかったという人が多いのではないでしょうか。
実際に住宅を購入した人のうち、何らかのポイントで「妥協」した人はどのくらいいるのでしょうか。妥協した人はどのような点に妥協し、折り合いをつけて住宅を購入したのでしょうか。ARUHIマガジンが実施した『住宅購入者調査』の結果から見ていきましょう。

約半数の人が「住宅購入で妥協している」

ARUHI『住宅購入者調査』調査結果より

過去1年以内に住宅を購入した人に、住宅購入で妥協したことがあったか問うと、52.3%の人が「妥協したことがあった」と回答。半数を上回る人が、何らかの妥協をしたことが明らかになりました。

ARUHI『住宅購入者調査』調査結果より(n=全体600、20代35、30代246、40代180、50代106、60代33)

住宅購入で妥協したことがあった人の割合を年代別に見ると、20代が31.4%、30代が49.6%、40代が51.7%、50代が63.2%、60代が63.6%という結果に。若い世代ほど、妥協のない住宅購入を実現できたことがわかりました。

住宅購入で妥協をした人は、どのようなことで妥協したのでしょうか。妥協した内容と、妥協できた理由について、自由回答で聞いた理由を一部紹介します。

最寄り駅まで距離がある場所を選び、予算をコントロール?

【便利な立地】
・駅まで10分以上かかる(30代/女性/新築マンション)
・駅から少し遠くなる(50代/女性/中古マンション)
・人気の地区を諦め郊外にした(50代/女性/建売住宅)

【部屋や駐車場の場所】
・角部屋が良かった(40代/男性/新築マンション)
・もう少し上層階がよかった(50代/男性/中古マンション)
・駐車場の場所(20代/女性/中古マンション)
・車庫の広さ(40代/男性/建売住宅)
・探していたエリアの土地が高く、希望より狭く変形地になった(30代/女性/注文住宅)

最も多くの人が挙げた妥協した内容は「最寄り駅までの距離」。駅に近い物件は高額な傾向があるため、駅からある程度離れた住宅を選んだという声が目立ったほか、人気エリアを避け、価格帯が落ち着いているエリアに目を向けた人もいました。
予定していた場所の住宅を購入できたものの、思い通りの広さを確保できなかった人や、マンションの場合は希望する階数や角部屋といった条件を緩めた人や、駐車場の場所や広さを妥協した人も多いようです。

【設計の自由度や設備、工事の範囲】
・注文住宅ではない(30代/男性/建売住宅)
・規格住宅にしたところ(30代/女性/注文住宅)
・タンクレストイレを諦めた(40代/女性/注文住宅)
・オプションを付けすぎないようにした(40代/女性/注文住宅)
・外構工事を後回しにした(50代/男性/注文住宅)
・諦めた設備がある。庭をもう少し色々したかった(30代/女性/注文住宅)

【価格や税制優遇】
・価格が高いこと(40代/女性/建売住宅)
・住宅ローン控除を受けられないこと(40代/男性/中古住宅)

戸建てを購入した人からは、注文住宅にしたかったものの、やや自由度が制限される規格住宅や、決まった間取りや設備で建てられる建売住宅を選択したという人、設備の導入やグレード、外構工事の実施を妥協したという声も。後から追加できる設備や工事は後回しにすることで、住宅価格をコントロールした人が多いようです。
また、希望する住宅を購入しようとすると予算内では収まらずオーバーしてしまったという声が多かったほか、床面積の最低基準を満たせず住宅ローン控除の恩恵を受けることを諦めた単身者の回答もありました。

妥協したポイントを上回る魅力のある住宅を購入

【ストレスなく通勤できる環境】
・最寄りの駅が始発駅であり混雑を避けることができるため、多少遠くても妥協した(30代/男性/新築マンション)
・駅からは遠いが、バスがあったため妥協できた(30代/女性/新築マンション)

【プラスポイントのチェック】
・モデルルームで、ベランダからの景色を階数ごとにイメージ写真を見ることができて、低層階でも気にならなかった(30代/女性/新築マンション)
・駐車しやすいので、ポジティブに考えるようにした(30代/女性/建売住宅)

最寄り駅までの距離に関して妥協した人からは、バス停が近くにある、始発駅のため座って通勤しやすいといったプラス面のある立地を選ぶことでストレスなく移動できるため、納得できたという声が目立ちました。
また、部屋や駐車場の位置に関しては、事前の部屋の眺望を確認することで納得できた人や、駐車場までの距離よりも停めやすさに注目して購入を決めたという声も。当初の条件通りではなくてもプラスポイントを見出し、折り合いをつけていることが分かります。

【必須設備以外は先送りに】
・建売なので全ての条件を満たすものはないと思っていた(30代/女性/建売住宅)
・生活に必ず必要ではなかったため(20代/女性/注文住宅)
・ウッドデッキは駐車場が狭くなることと、後でも作れることを考えてやめた。太陽電池は十年後のメンテナンスが必要になるため結局お金がさらにかかる可能性を考えてやめた(40代/男性/注文住宅)

【お金の対策】
・借り入れを増やせたから。自分自身で資金計画を作り納得したから(30代/男性/中古マンション)
・立地が良く、転居したら賃貸に出せると思ったから(50代/女性/中古マンション)

設備に関しては、予算を遵守するためには多少の妥協はやむを得ないと考えていた人が多く、必須の設備でなければなくてもいい、お金が貯まってから後付けすれば良いという意見も多く出ました。
予定していた住宅価格をオーバーしてしまった人からは、借入金額を増やせるように計画し、納得の上で予算を上乗せしたという声や、住まなくなってから運用できる見込みで購入を決めた人も。長い目で見て住宅ローンを無理なく返済できる見通しが立った場合や資産価値を見込める場合は、想定より高額な住宅であっても購入に踏み切りやすいようです。

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まとめ

今回の調査結果では、半数を超えている人が住宅購入時に何らかの理由で妥協をしているものの、妥協点を補ってあまりあるプラス面に惹かれて住宅購入に至ったという声が数多く聞かれました。また、「家族で協議をした」という購入者の声もあり、妥協する部分と譲れない部分をしっかりと話し合うことで、妥協したことがあっても納得の選択ができたようです。これから住宅購入を予定している人は、住まいに何を求めているのか優先順位を明確にしましょう。そして、家族はもちろん、不動産業者やハウスメーカー、金融機関などその道のプロに相談しながら計画を進めてみてはいかがでしょうか。

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【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:過去1年以内に住宅ローンを組んで住宅購入をした25~60歳の男女(自身または配偶者が住宅購入をした人。親やその他の親族が購入した人は除く)
調査期間:2023年12月19日〜21日
有効回答数:600サンプル
調査手法:クロス・マーケティングモニターへのインターネット定量調査
調査機関:株式会社クロス・マーケティング