日本銀行が現状の金融政策の維持を決めたことを受け、植田和男総裁は26日の記者会見で、足元で急速に進む円安について「今のところ基調的な物価上昇率に大きな影響は与えていないと判断した」と述べた。

円安を強く牽制するような発言がなかったことから、東京外国為替市場では会見中に円相場は80銭ほど円安が進み、一時1ドル=156円80銭台をつけた。

 日銀は3月の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和からの転換を決めた。政策変更から間もないため、今回は政策を維持するとの見方が市場では強かった。

 注目は、会合後の会見で、植田氏が急速に進む円安に対して、どのような認識を示すかに集まっていた。植田氏は会見で、「円安が基調的な物価上昇率に影響を与えるのであれば、金融政策上の判断材料になる」と説明。