2頭の馬を競わせて天下太平や五穀豊穣(ほうじょう)を祈る伝統神事「賀茂競馬(くらべうま)」が5日、京都市北区の世界遺産・上賀茂神社であった。約200メートルの馬場を疾走する馬の迫力に約5千人の観客が見入った。

 もとは宮中の行事で、平安時代の1093年から同神社で開かれるようになった。徒然草に記述があり、足利義満や織田信長も見たと伝わる。

 この日は舞楽装束に身を包んだ乗尻(のりじり)(騎手)が左方(さかた)と右方(うかた)に分かれ、2頭ずつ6回の疾走で競った。左方が勝つ年は豊作とされ、今年は4勝1敗1引き分けで左方が勝った。(北村有樹子)