タクシー大手「エムケイ」(京都市南区)は、時間を指定してタクシーを呼ぶときに500円をとる「時間指定料金」を始めた。タクシー不足で、指定された時間に遅れたり、手配できなかったりすることが続いているためという。

 同社によると、4月から始めた。電話やスマホアプリで配車を頼む場合、メーター料金に加えて500円を支払う。「より確実な配車を行い、お客様の利便性の確保につなげるため」と説明する。

 時間指定をしない「『今から』配車」は料金はかからない。これまで同様、迎車料金は無料だ。

 同社によると、コールセンターで受け付ける注文は、3月までは約4割が時間指定だったが、有料化した4月以降、時間指定は約3割に減った。ただ、有料化によって効率的に配車できるようになり、時間指定のマッチング率は95%程度という。担当者は「通院や待ち合わせがある人に選ばれている」と話す。

 大阪エムケイや神戸エムケイは2015年12月から時間指定料金(500円)を導入した。有料化によって当初は時間指定の注文が減ったが、確実性を求める客に支持され、現在、大阪では約7割、神戸では約5割が時間指定の注文という。

 一方、配車アプリ最大手「GO」は「AI予約」というサービスで、時間指定の手配を受け付けている。最短15分後から7日後までの希望日時を指定して予約できる。料金は数百円程度。東京と神奈川で20年11月にスタートし、関西では21年1月から始まった。京都、大阪、兵庫で実施している。

 同社によると、顧客が希望の時間に乗車できるよう、自動で空車車両を探し、通常の配車より優先的に車両を手配する。配車を確約するものではないが、AIのリアルタイム需給予測を使うことで、人力による予約管理に比べ10倍以上の時間指定依頼に対応できるようになったという。(北村有樹子)