JR東海道線の大船―藤沢間に新設される「村岡新駅(仮称)」について、神奈川県と藤沢・鎌倉両市、JR東日本が20日、着工に向けての協定を結んだ。詳細設計が終わり、今秋にも工事に入る。予定通り、2032年ごろの開業をめざす。

 鎌倉市の松尾崇市長は「関連する深沢地域整備事業も着実に推進していき、深沢地区及び藤沢市村岡地区の一体的なまちづくりを進めていきたい」とコメントした。

 新駅予定地は旧国鉄の貨物駅があった場所。1985年の廃止を受けて地元住民から新駅設置の請願などがあり、県と両市がJR東日本に要望を続け、4者が2021年2月に覚書を交わしていた。事業費は物価高騰の影響で、当初より9億円増の約159億円。23年度に終了した詳細設計の費用4億円を除いた155億円が工事などの費用で、負担割合は県が30%、両市がそれぞれ27・5%、JRが15%。また、藤沢市は駅の南北をつなぐ歩行者自由通路の整備費18・7億円も負担する。

 周辺では、昨年10月に土地区画整理事業(約38ヘクタール、都市再生機構施行)が国の認可を受け、両市の新たな拠点として大規模なまちづくりの計画も進む。

 JR東日本管内の東海道線の新駅は1925年3月の熱海駅以来。1日あたりの乗降客数は約6万5千人を見込み、周辺では保土ケ谷駅(横浜市)と同程度の規模という。(足立朋子、芳垣文子)