夏の全国高校野球選手権大会で、暑さ対策のために「2部制」が初めて導入される。19日、大阪市内で開かれた第106回大会の第2回運営委員会で決まった。

 大会第1〜3日の試合数を1日3試合とし、「午前の部」と「夕方の部」に分けて実施する。今後、4試合日での2部制導入の可能性をさぐる狙いもある。

 多いときで4万人を超える観客を入れ替えることによる雑踏事故を防ぐため、午前と夕方の間隔を2時間半以上確保した上で、最終試合の終了が夜遅くにならないよう、今大会は1日3試合の日のみで行う。

 十分なインターバルを確保するため、第1日の第1試合(午前10時開始)は午後1時半、第2、3日の第2試合(午前10時35分)は午後2時半の時点で試合が終わっていない場合、原則として継続試合となる。

 ただ、2000年以降の大会で試合時間が3時間半を超えたのは、タイブレーク制導入前の第88回(06年)決勝の早稲田実―駒大苫小牧(延長十五回、1―1の引き分け再試合=3時間37分)の1試合だけだ。

 第1〜3日の入場券は午前と夕方に分け、同額で販売される。雨天順延による入場券の取り扱いで混乱を避けるため、2部制は開幕3日間に固めた。悪天候などで1日3試合の日が8月10日以降にずれ込んだ場合、2部制は実施しない。

 日本高校野球連盟の井本亘事務局長は「一歩目を踏み出さないと次の展開が見えてこない。地方大会で参考になることもあるので、(各連盟を)サポートして一緒に暑さ対策をやっていく」と語った。

 ほかに暑さ対策として、準決勝は昨夏より1時間早めて午前8時開始、決勝は4時間早めて同10時開始とした。

 また、第1試合を戦う選手には試合前に補食を提供する。早朝の起床で朝食を十分に食べられなかった選手が、低栄養によって熱中症になるのを防ぐため。

 昨年から導入された五回終了後の10分間のクーリングタイムについては、昨夏の代表校の意見を参考にし、今大会は同タイムの終了3分前(昨年は1分30秒前)からウォーミングアップを開始できることに。六回表から新たに登板する投手は5分前からとした。