デンマークの首都コペンハーゲンで16日朝、17世紀に建てられた歴史的建造物で火災が発生し、約55メートルの尖塔(せんとう)が倒壊した。

 AP通信などによると、火災は16日午前7時半ごろ、旧証券取引所で発生。建物の大部分と屋根が焼け、尖塔や屋根の一部は崩れたという。建物は改修工事中で、火災の原因は不明。これまでのところ、負傷者は確認されていないという。

 デンマーク商工会議所のホームページによると、旧証券取引所は1619〜1624年に建てられ、国会議事堂と隣接している。1970年代まで証券取引所として使われ、現在は商工会議所になっている。尖塔は4頭の竜の尾が絡み合った形で、観光名所だったという。

■「ノートルダム大聖堂の火災を思い起こす」

 AP通信が報じた映像には、街のランドマークである尖塔が炎に包まれるのを、通勤途中の人々がぼうぜんと見ている様子が映っている。AFP通信は「5年前のパリのノートルダム大聖堂の火災を思い起こさせる」と報じた。

 火災時、市民らが建物から絵画などの美術品を運び出すのを手伝ったといい、エンゲルシュミット文化相は「感動的だった」と自身のX(旧ツイッター)に投稿した。(ブリュッセル=森岡みづほ)