昨年9月の火事で周辺の住宅を含め13棟が全半焼した新潟県魚沼市の南本町商店街で7日、全焼後の再建を決めた理容室の地鎮祭があった。全焼した商店の再建は初めてで、再生に向けた第一歩を関係者たちが見守った。

 同日午前10時、更地になった焼け跡の一角で行われた地鎮祭に商工会や建築関係者らが集まった。

 理容室を経営する安藤ミイ子さん(71)は被災後、近くの仮店舗で営業を続けてきた。「お客様に支えられてきたので、もう一度、ここに戻りたかった」と再建を決めた理由を話した。11月ごろの営業再開を目指すという。

 この火事では商店街の5店舗が焼け、全焼を免れた生花店ともち店が営業を再開している。一方、全焼した3店舗のうち、喫茶店は再建するかどうかは未定で、残る美容室は閉店を決めた。

 商店街は合併前の旧小出町の庁舎がすぐ横にあった。クラウドファンディングなどで1千万円以上の寄付を募り、再建を支援している商店街協同組合の稲津厚理事長(64)は「とにかくうれしい。復興を後押しするため、火事から1年となる9月には休止した地元の祭りの『へそ市』を復活させたい」と話した。(白石和之)