有識者でつくる「人口戦略会議」が発表した消滅の可能性がある自治体に、萩市など山口県内の8市町が含まれた。村岡嗣政知事は25日の定例会見で「日本全体の構造の問題。より強力な少子化対策や一極集中の是正策を国にやってほしい」と話した。

 同会議が24日に発表した報告書は、2050年までの20〜39歳の女性人口を基に分析。30年間で50%以上減る自治体を「消滅可能性自治体」とした。

 全国で744自治体に上り、県内は萩市、長門市、美祢市、周防大島町、上関町、田布施町、平生町、阿武町が含まれた。

 村岡知事は、県が人口減対策に取り組んでいると述べた上で、「消滅可能性自治体として個別に名前が挙げられ、それぞれの地方が頑張るべきだという話で終わってしまうのは危険」と訴え、国全体の問題として捉えるべきだと主張した。

 また、人口の首都圏集中について「過度に進んでいるのは危うい。もっとなだらかにしていくべきだ」と述べた。

 1人の女性が生涯に産む見込みの子どもの数を示す「合計特殊出生率」が東京は低い一方、大学生らが他地域から流入するために人口減が顕在化していない、と指摘。「深刻さが分かっていない中で国の意思決定がされている。首都圏の方々、国の政策担当者にこそ問題意識を持ってほしい」と注文をつけた。(山野拓郎)