4月30日、2023年MotoGP第4戦スペインGP MotoGPクラスの決勝がスペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われ、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は9位でチェッカーを受けた。

 前日のスプリントレースでは転倒リタイアに終わり、その雪辱を果たすべく決勝レースに挑んだ。前日のスプリントでは路面温度が50度まで上昇した影響で、タイヤにとって厳しいコンディションだったが、最終日は雲が多く広がる天候となった。

 迎えた決勝は気温28度、路面温33度のドライコンディションでスタート。しかし、スプリントレースに続き、スタート直後に3台が絡むクラッシュが発生したため、赤旗中断となった。

 中断後は1周減算の24周、オリジナルグリッドで再開し、中上は抜群のスタートで8番手に浮上するが、翌周に差し掛かる頃12番手まで後退してしまう。以降は前を走るマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)やマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)らとバトルを繰り広げながら、ポジションをキープしていた。

 レースが終盤に差し掛かる頃、ベゼッチを含めた2台の転倒で10番手にポジションを上げると、さらにファイナルラップでは前を走るビニャーレスのマシントラブルにより9番手に順位を上げ、そのままチェッカーを受けた。

 レース中に路面温度が上昇した影響でリヤのグリップ不足に悩まされた中上だったが、最後まで粘り強い走りで、今季初のシングルフィニッシュでレースを終えた。5月1日には同地でテストも行われるが、様々なテストメニューをこなして次戦のフランスGPに向けて準備を進めていく。

■LCRホンダ・イデミツ
中上貴晶(決勝:9位)
「厳しいレースでした。今大会は、得意なコースということもあり、いいレース展開を期待していました。しかし、今日はリヤのグリップが非常に悪くて思うようなペースでは走れませんでした。タイヤは金曜日のP1、P2で走ってミディアムを選択しました。このときはペースも安定していたのですが、今日はこれまで感じたことがないグリップ不足を感じました」

「昨日のスプリントは不可解な転倒だったので、今日はなんとしてもゴールしたいと思っていましたし、前を走るライダーの転倒などもあって、シングルフィニッシュできたのはラッキーでした。明日は、これからの大会に向けて重要なテストになるので、しっかりデータを収集したいです」