5月23日、日産自動車および日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)は、5月26〜28日に静岡県の富士スピードウェイで開催されるENEOS スーパー耐久シリーズ2023第2戦『NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース』に、ニッサンZ GT4をベースとしたレーシングカー『Nissan Z Racing Concept(ニッサンZ・レーシングコンセプト)』で参戦することを発表した。

 RZ34型ニッサンZ(日本名:フェアレディZ)でモータースポーツカテゴリーへのチャレンジを行っているニッサン/NMC。スーパー耐久シリーズでは、2022年の富士24時間にカーボンニュートラルフューエル(CNF)を使用する230号車、ガソリンを使用する244号車という2台のニッサンZ・レーシングコンセプトを投入して完走。244号車はその後もシリーズへ継続参戦を行い、今季デビューを果たしたニッサンZ GT4のベースとなった。

 そんなニッサン/NMCは、2023年も国内で唯一の24時間レースとして開催される富士24時間のST-Qクラスに参戦することを発表。今年は正式デリバリーが開始されたニッサンZ GT4をベースに、空力や冷却系パーツを中心に改良を加えたニッサンZ・レーシングコンセプトで参戦を行う。

 すでに同車両は4月28日に行われた公式テストで走行を実施しているが、その時点ではマシンの詳細は明らかにされていなかった。しかし今回の発表で「開発車両の出場が認められるST-Qクラスへの参戦を通じて、レース車両やアフターパーツの開発に必要なさまざまなデータを収集し、燃料にCNF(カーボンニュートラルフューエル)を使用することで、CNFの知見をさらに深めることを目指します」と記されたことで、正式にCNFを使用することが宣言された。

 そして体制についてもあわせて発表され、チームはNISMO、カーナンバーは230、ドライバーは平手晃平/佐々木大樹/高星明誠/松田次生というテストでもステアリングを握ったメンバーが務める。監督はNMC取締役副社長で、スーパーGTではニッサン系チーム総監督を務める松村基宏氏となる。

 今回の発表について、ニッサンのモータースポーツビジネスユニットオフィスヘッドで、NMCの社長を務める片桐隆夫氏は「モータースポーツ活動の可能性の幅を広げるため、サステナブルな視点を取り入れた新たなチャレンジを行っています」と語った。

「今回は24時間レースという大変厳しい条件であるからこそ、多くの有益な実戦データが得られるものと期待しています。そして、得られた知見を今後の開発に活かし、お客さまにより楽しんでいただけるクルマつくりにつなげていきます」