現地時間3月8日、2024年FIA F2第2戦ジェッダのスプリントレース(決勝レース1)がサウジアラビア市街地のジェッダ・コーニッシュ・サーキットで行われ、参戦4年目のリチャード・フェルシュフォー(トライデント)がFIA F2通算4勝目を飾った。宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)は14位でチェッカーを受けている。

追記:スプリントレース終了後の車検にて、優勝のフェルシュフォーと10位でチェッカーを受けたロマン・スタネのトライデントの2台について、ECUに誤ったスロットルペダルマップがインストールされていたとして2台は失格となった。これで2番手でチェッカーを受けたデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)が優勝へと変わった。なお、宮田も繰り上がりで12位となっている。

 F1のフリー走行3回目直前、虫垂炎を患ったカルロス・サインツ(フェラーリ)の欠場と、オリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)の代役起用が発表された。ベアマンはこの週末、F1に専念することとなり、FIA F2の残るセッションは欠場することになった。

 第2戦決勝スプリントレースのグリッドは、7日に行われた予選のトップ10がリバースグリッドで決定され、10番手タイムを記録したポール・アーロン(ハイテック・パルスエイト)がポールシッターとなった。

 ベアマンの欠場により、10番手以降のドライバーのグリッドが1ポジション繰り上がりとなるなか、予選で他車への走路妨害があったファン・マヌエル・コレア(ダムス・ルーカスオイル)が3グリッド降格となった影響で、20番手タイムを記録した宮田は18番手スタートとなった。

 気温25度、路面温度35度、定刻から10分遅れの日本時間24時20分(現地時間18時20分)開始のフォーメーションラップを経て、タイヤ交換義務のない20周もしくは45分+1周のスプリントレースはスタートを迎えた。

 ポールスタートのアーロンが抜群の蹴り出しをみせ、シルバーのハイテックカラーがホールショットを守る。フロントロウスタートのリチャード・フェルシュフォー(トライデント)が2番手、アイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)が3番手をキープする。

 その後方では5番手スタートのアンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)がスタートで失速し12番手まで後退。その混乱を抜けた9番手スタートのクッシュ・マイニ(インビクタ・レーシング/アルピーヌ育成)が5番手に、10番手スタートのジョセップ・マリア・マルティ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)に浮上する。

 一方、7番手スタートのビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)はデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)とのサイド・バイ・サイドの4番手争いの末、ターン3のウォールにクラッシュ。破片が広範囲に散らばり、オープニングラップにセーフティカー(SC)が導入される。

 5周目にレース再開を迎えると、DRSを使える2番手フェルシュフォーが8周目のターン1でアーロンを攻略しトップに浮上する。フェルシュフォーは8周目、9周目とファステストを更新し、後続を引き離しにかかる。

 10周目のターン1でハウガーがハジャルを攻略し3番手に浮上。しかしその直後、アムーリ・コルデール(ハイテック・パルスエイト)がターン2で単独スピンを喫し、コース上でマシンを止め、2度目のSC導入となる。

 レースは12周目に再開を迎えた。15番手スタートのゼイン・マローニ(ロダン・モータースポーツ/ザウバー育成)がこのリスタートのタイミングでマイニをパスし6番手に浮上する。

 なお、宮田は17番手で2度目のリスタートを迎えた。しかしその直後、宮田はコース上最後尾の19番手までポジションを下げてしまうが、15周目にはラファエル・ヴィラゴメス(ファン・アメルスフォールト・レーシング)をパス、さらにコレアがターン22でウォールにヒットしリタイアしたことで17番手にポジションを戻す。

 18周目、ターン1でハウガーがアーロンを攻略し2番手に浮上する。また、19周目のターン1でマローニがハジャルをパスし5番手におどり出る。そのハジャルは19周目にマシントラブルが起きたか一気に失速し、後続に沈むことに。

 20周目を終え、FIA F2参戦4年目のフェルシュフォーがトップチェッカーを受け、通算4勝目を飾った。2番手にハウガー、3番手に2レース連続表彰台のアーロンが続いた。ファステストラップポイントはアーロンが獲得している。宮田は終盤に自己ベストを更新する走りを見せ、14位で完走を果たしている。

追記:スプリントレース終了後の車検にて、優勝のフェルシュフォーと10位でチェッカーを受けたロマン・スタネのトライデントの2台について、ECUに誤ったスロットルペダルマップがインストールされていたとして2台は失格となった。トライデントはエンジニアが誤って前年のデータをスプリントレース直前にインストールしていたとして、技術規則違反を認めている。これでハウガーが今季初優勝へと変わった。

 続く、フィーチャーレース(決勝レース2)は日本時間3月9日の22時25分から、タイヤ交換義務を有する周回数28周、もしくは60分+1周で争われる。

■2024年FIA F2第2戦ジェッダ スプリントレース正式結果
Pos.No.DriverTeamTime/Gap111D.ハウガーMPモータースポーツ41'39.473217P.アーロンハイテック・パルスエイト0.782314E.フィッティパルディファン・アメルスフォールト・レーシング3.98445Z.マローニロダン・モータースポーツ6.76557J.クロフォードダムス・ルーカスオイル8.39964A.アントネッリプレマ・レーシング11.140721J.マルティカンポス・レーシング13.66389K.マイニインビクタ・レーシング14.016924J.デュルクセンPHM AIXレーシング17.5551010G.ボルトレートインビクタ・レーシング18.0621112F.コラピントMPモータースポーツ18.467126宮田莉朋ロダン・モータースポーツ25.0091325T.バーナードPHM AIXレーシング25.0321415R.ヴィラゴメスファン・アメルスフォールト・レーシング26.6451520I.ハジャルカンポス・レーシングDNF162Z.オサリバンARTグランプリDNF-8J.コレアダムス・ルーカスオイルDNF-16A.コルデールハイテック・パルスエイトDNF-1V.マルタンスARTグランプリDNF-22R.フェルシュフォートライデントDQ-23R.スタネトライデントDQ
・ファステストラップ:ポール・アーロン 1分44秒607(19/20) 212.475km/h