3月21日、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は1月12日に東京オートサロン2024で世界初公開した最新の『進化型GRヤリス』を、4月8日から全国のトヨタ車両販売店で発売すると発表した。グレードは標準仕様の“RZ”と、アクセル操作による駆動コントロール性能向上のためにトルセンLSDを設定する“RZハイパフォーマンス”のふたつを用意する。

 レースやラリーといった実戦でのポテンシャルをより向上させるために進化したGRヤリス。ラインアップに新開発の8速AT(オートマチック)を加えるとともに、視認性や操作性を向上させたコックピットを採用するなど、刺激にあふれた走りを楽しめる1台に仕上がっている。

 エンジンは1.6リッター直列3気筒ターボを搭載。最高出力/最大トルクともに向上し最高出力は24kW(32ps)アップの224kW(304ps)、最大トルクは30Nmアップの400Nmを達成している。

 ボディ剛性を高めるため、車体骨格のスポット溶接打点数は約13%増加、構造用接着材の塗布部位は約24%拡大した。また、フロントダンパーのボディ取り付け部を3本締結に変更したことで、ステアリング操作に対するレスポンスの正確性をより向上させている。

 進化型GRヤリスの大きなトピックは、AT仕様の追加だ。新開発の8速AT『GR-DAT(GRダイレクト・オートマッチ・トランスミッション)』は、Dレンジのままでもプロドライバーのごとく最適なギヤを選択してくれるため、シフト操作の煩わしさからも解放される。

 また、コクピットを「高い運動性能を実現するための重要要素」として捉え、プロドライバーとともに「スポーツカーのコックピットのあるべき姿」を追求。

 スーパー耐久シリーズ参戦車および全日本ラリー参戦車をモチーフに、操作パネル・ディスプレイをドライバー側へ15度傾けて設置したほか、ハーネスで体をシートに固定した状態でも使いやすいスイッチ配置とするなど、視認性と操作性を磨き上げている。

 さらにドライビングポジションを25mm下げ、合わせてステアリング位置も調整することにより、ドライビング姿勢を改善。インナーミラーの取り付け位置をフロントガラス上部に移動させ、さらにセンタークラスターの上端を50mm下げることにより、前方視界の拡大も果たしている。

 進化版GRヤリスのグレード構成は“RZ”と“RZハイパフォーマンス”の2種類。メーカー希望小売価格(税込)は“RZ”が448万円(6速MT)〜483万円(8速AT)、“RZハイパフォーマンス”が498万円(6速MT)〜533万円(8速AT)となっている。

 なお、モータースポーツシーンでの使用を想定した競技ユーザー向けグレード“RC”の詳細はhttps://toyotagazooracing.com/jp/gr/yaris/grade/rc/から確認できる。

■GRヤリス “RZハイパフォーマンス”諸元表
全長×全幅×全高3995×1805×1455mmホイールベース2560mm車両重量1280kg(GR-DAT搭載モデルは1300kg)エンジン種類直列3気筒インタークーラーターボ総排気量1618リッター最高出力224kW(304ps)/6500rpm最大トルク400Nm(40.8kgm)/3250〜4600rpmトランスミッションiMT(6速MT)、GR-DAT(8速AT)駆動方式スポーツ4WDシステムGR-FOUR電子制御多版クラッチ式4WD(3モード選択式)サスペンション(F/R)マクファーソンストラット/ダブルウイッシュボーンブレーキ(F/R)ベンチレーテッドディスクタイヤ(F/R)225/40ZR18 ミシュラン Pilot Sport 4S車両価格(税込)498万円(6速MT)/533万円(8速AT)