ベントレーは5月7日、同ブランドの象徴とも言える6.0リットルW型12気筒エンジンを搭載する最後のモデル『Batur Convertible(バトゥール コンバーチブル)』を発表した。

 世界限定16台のみが生産されるこのクルマは、ベントレーの社内オーダーメイド部門であるマリナーの職人によって製作される特別車であり、マリナーによる精巧な手作業で製作され完売となった『バカラル バルケッタ』と『バトゥール クーペ』に続く3番目の“コーチビルト・ベントレー”となる。

 ベントレーのDNAを進化させ、バトゥールから生まれた先進的なデザインにオープンエア・グランドツーリングのエッセンスが取り入れたバトゥール コンバーチブルの心臓部には、過去20年間に10万5000基が製造された排気量6.0リッターのツインターボW12エンジンが収まる。この夏に引退を控える同ユニットの最高出力は750PS、最大トルクは1000Nmだ。

 19秒で展開する開閉式ルーフの下では、オープンコクピットカーの豊かな歴史を持つベントレーの技が光る。マリナーのデザイナーはバカラルとバトゥールのデザインを融合させるとともに、“ラップアラウンド”コックピットを採用することで2ドア・2シーターというキャラクターを強調することに成功した。また、シート後方に備わる特徴的なエアブリッジや、ローズゴールドのインテリアディテールなどのパーソナライゼーションオプションも充実している。

 そんなバトゥール コンバーチブルの開発0号車は顧客仕様と同じレベルでこだわり抜かれた1台となっており、外装には特注色のバーミリオンサテン・デュオトーンにバーミリオングロスを採用。これをカーボンファイバー製のフロントスプリッター、サイドスカート、リヤディフューザーが強調する。

 さらに、グロスダークチタニウムで仕上げられた芸術的なフロントグリルや、グロスブラックチタニウムとサテンブラックチタニウムの組み合わせにバーミリオングロスのアクセントが施された22インチの大径ホイールなどが奢られている。

『ベントレー・バトゥール コンバーチブル』の登場はW12エンジンの歴史にピリオドが打たれることを意味する一方、ベントレーとマリナーが特別な顧客ひとりひとりの希望に合わせた“真に個性的なクルマ”を作るという伝統を継承することを示している。