5月10日(金)、WRC世界ラリー選手権第5戦『ラリー・ポルトガル』の大会二日目が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。TGR-WRTのレギュラーである日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合3番手でデイ2を終えた。そんなデイ2を終えた各陣営から、ドライバーたちの声が届いている。

■Mスポーツ・フォードWRT
●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合7番手
「僕たちはループ全体を通してタイヤを労っているが、端を歩いているようなものでかなりきわどい。最後はグリップがあまりなかったけれど、全体的には満足しているよ。ポルトガルでは、金曜の午後に多くのことが起きることは分かっているので、僕たちは自分たちの戦略に従うよ。WRCでは品のある走りを続けるんだ!」(SS5)

「本当に楽しんでいるけれど、タイヤが消耗し始めている。後ろではライバルが速くなっているのは間違いないが、自分の走りには満足している。ただ、今日はかなり厳しい日だ」(SS8)

「明日に向けて僕たちはだいぶ下にいるから、少しフラストレーションを感じている。僕たちの出走順は変わらない。今日のペースにはとても満足しているし、良い一日だったけれど、明日にうまく繋げられなかったのは少し残念だ」(SS9)

●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合9番手
「ここは経験があった唯一のステージだったので、ペースは良かったと思う。上位とのギャップはあと少しだが、もっと近づく必要がある。だからプッシュしたいけれど、ミスをしたら彼らから遠ざかってしまう。トップ集団の方がより多くの経験と知識を持っているなと感じるよ」(SS3)

「山の頂上は非常に速いセクションで、下り坂はとても曲がりくねっていたので、本当に楽しめた。ひとつのコーナーで速いスピードを維持すると、次のコーナーに向けた態勢が崩れてしまうので、難しいものだ。2回目の走行で様子を見よう」(SS4)

「今日は一日を通してたくさんのことを学んだ。まずはペースノートと、僕のセットアップの改善だ。明日は走順が早くなるので掃除役をやることになるが、それも学習曲線の一部になるだろう」(SS9)

※いずれもSS走行直後の公式インタビューより

■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合6番手
「今年のステージははるかに楽しくなったと思うが、操縦が難しくなったことは間違いない。それに加えて、僕は一日中掃除役を務めていたので、これ以上速く走る方法はなかった」

「それにもかかわらず、僕たちにとっては良い一日だったし、このような状況でできる限りのことをした。マシンは順調に機能している。午後にソフトタイヤを2本選択したことは、僕たちの出走順からより速く走るために、間違いなく正しい決断だった。明日はまた全力を尽くし、自分たちの走りを最大限に引き出していきたい」

●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合4番手
「トラブルのない一日だったことは間違いないし、それはとてもポジティブなことだ。その一方で、走行中に必要なフィーリングをまったく掴むことができなかったと思う。僕はなんとかしようと努力したが、望んだようにはいかなかった」

「マシンバランスは、僕が求めている状態になかった。ステージはよく知られているので、誰もが拮抗している。特徴は大きく異なるものの、全員が同じ知識を持っていると、違いを生み出すのはさらに難しいものだ。一晩で何ができるか見てみよう」

●ダニエル・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合5番手
「今日は誰にとっても厳しい一日だったと思う。あれだけの数のステージに直面し、あれだけの時間を走って過ごすのは、決して簡単なことではない」

「それでも走行中の感触はすごく良かったし、僕にとって昨年の日本以来となる復帰戦で3本のステージを制覇できたことは、残りの週末に向けた素晴らしいスタートだ。今日の最後のステージで少しタイムを落としたことは分かっているが、明日はそれを補うためにプッシュするよ。デイ3はさらに長いので、チャンスは充分にある」

■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合8番手
「自分たちが期待していたような一日ではなかった。ベストなドライブフィールを得ることができず、タイムを失っている。また、それに加えていくつか問題も起こった」

「ペースノートを紛失したのはそのひとつで、もちろん理想的なことではないが、そういうこともあるんだ。スマートフォンにペースノートのバックアップをとっておくなどスコット(・マーティン/コドライバー)は用意周到で、うまく対処してくれたので、それほど大事にはならなくて済んだ」(SS6とSS7の間のTCで置き忘れたものとみられる)

「全体的に見て、総合リザルトに関しては今のところ厳しい状況だが、前に進み続けなければならない。クルマにいいフィーリングが感じられるように改善を進め、日曜日にポイントを獲るための準備をしておくことが重要だろう」


●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合首位
「素晴らしい戦いが続いた一日になった。セブ(セバスチャン・オジエ)とのバトルで一日を終えられたのは良かったけれど、自分たちのすぐ後ろには多くのドライバーがつけている。ところどころ苦戦したエリアもあったので、完全に満足できたわけではないが、クリーンな走りができた一日だった、力を最大限発揮したと思う」

「今日はミッドデイサービスがなかったので、今夜はクルマに手を加えて改善する余地がまだあるはずだ。もう少しフィーリングが良くなりペースが上がれば、明日はさらにいい一日になる。明日もまだ攻め続けなければならない長い一日なので、最初のステージから感覚を研ぎ澄ませて臨むよ」

●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合2番手
「今日はかなりの接戦で、見ている人たちにとってもエキサイティングな一日だったはずだ。午前中のステージのコンディションが、誰にとってもかなり安定していたのは驚きだったし、通常のグラベルラリーよりもタイム差がついていないように思う」

「午後はフィーリングが少し改善し、走りのリズムも良くなった。また、スペアタイヤを1本しか搭載しないなど、アグレッシブなタイヤ戦略もスピードアップに効果があったと思う。最終の1本前のステージではハイブリッドシステムに問題が発生したため、明日のステージをより良い出走順で走るためにも、今日最後のステージではプッシュして総合順位を上げておく必要があったんだ。結果的にいいタイムを出すことができたので、あとはプッシュし続けるのみだ」

●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合3番手
「決して楽な一日ではありませんでした。午前中はリードこそしていましたが、自分自身のドライビングに関しては完全に満足のいくものではありませんでした。午後のステージではミスを減らすように心がけて走りましたが、結果的にそれがうまく行き、ドライビングを改善することができました」

「ペースがやや足りていなかったステージもありましたが、総合3番手につけていますし、トップとの差もそれほど大きくはないので、全体的には満足するべきでしょう。世界チャンピオンたちと戦うために、全ドライバーがプッシュし、僅差の戦いが続いたので、楽しい一日でした。明日はコンディションが少し変わり、より厳しい戦いになるかもしれませんが、運転を楽しみ、プッシュし続けたいと思います」