◆ 「タイミング的にはアウト」

 日本ハムは11日、敵地でのソフトバンク戦に3−6で敗戦。雨の降りしきる北九州で迎えた一戦は、両先発が早めに降板しリリーフ勝負になったが、終盤に3番手のパトリック・マーフィーが捕まって貯金が「0」となった。

 3−3の同点で迎えた7回の守備だった。この回からマウンドに上がったマーフィーの制球が定まらず一死一・三塁のピンチを招くと、ここで打席に立った今宮健太から2球目の外角のパワーカーブに反応され、右翼前に鋭い当たりを飛ばされる。

 これに猛然とチャージした右翼手の万波中正が、捕球こそ間に合わなかったものの地面すれすれのところでワンバウンドを処理すると、勢いそのままに即座にバックホーム。しかしここで送球が捕手の頭上を大きく超える大暴投となって三塁走者・甲斐拓也が生還し、まさかの勝ち越しを許してしまった。

 その後2点を追加されると、9回には本塁打が出れば逆転の状況まで作るも最後はアリエル・マルティネスが中飛に倒れてゲームセットとなった日本ハム。同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』では同試合のターニングポイントとして万波の暴投が話題になった。

 番組MCを務めた野村弘樹氏が「暴投しなければタイミング的にはアウトでしたよね。これは少し万波も慌てましたかね」と切り出すと、また「三塁ランナーが甲斐だと見えているじゃないですか、だから万波クラスだと慌てなくても良かったんじゃないかな」とコメントし、暴投の原因を絶対に追加点を許せない状況がもたらしたプレッシャーだと推察した。

 昨季はゴールデングラブ賞を受賞するほどの高い守備力を持つ万波だけに同場面での大暴投には様々な原因がささやかれたが、同じく出演した谷沢健一氏は「慌てたというよりも突っ込んできてるから、その勢いが余って投げた。暴投しやすい体勢だった」と分析すると、これには出演した五十嵐亮太氏も「地面が濡れていて滑った可能性も若干無くはないのかなと思いましたけど……たぶん谷沢さんが正解なんじゃないかと」と天候の影響を指摘。

 精神的なものか、はたまた捕球時の勢いか、原因は不明なままだが、少なくとも同場面でのミスが致命的な失点に繋がってしまったのも事実。万波はこの日初回から2号先制本塁打を放つなど、大ブレイクを果たした昨季から引き続いて今季も不動の主軸として期待がかけられているだけに、明日以降の切り替えに期待したい。


☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』



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