オリックス・T-岡田

 復活を遂げるシーズンへ、T-岡田が猛アピールだ。今季から兼任コーチを務める安達了一と同じく今年36歳のベテランが存在感を示してきた。

 宮崎での春季キャンプ中の2月25日、台湾・楽天との練習試合に五番・DHで出場すると、2回無死から右翼席へ同点ソロとなる“今季1号”を放った。カウント2-2、アンダースロー投手から放った一撃に「左打者なので、ああいう投手を打っていかないと試合に出るチャンスが少なくなる。初めての実戦で結果が出て少しホッとしました」と充実の表情で胸をなでおろした。

 昨季は出場20試合にとどまり、本塁打を記録することができなかった。連続本塁打が14シーズンで途切れ「良い場面で打てるように、もっともっと練習しないといけない」と強い思いを明かす。

 今オフは確実性を向上させる目的で、打撃フォームの改造にも着手。スタイル変更の意図は「シンプルさを求めて。練習では良い打球が増えているので、このまま(今のフォームを)続けていければなと思っています」と説明した。

 一塁には昨季の首位打者・頓宮裕真がおり、外野には広島から国内FA権を行使して移籍してきた西川龍馬、長打力が魅力の杉本裕太郎、確実性のある打撃に定評がある中川圭太ら、実力者がそろう。

「ライバルも多いので頑張っていきたい。僕はアピールしないといけない立場なので」

 チーム野手最年長かつ、球団在籍年数最長の19年目の男は懸命にバットを振る。豪打を待つライトスタンドに一発を届けるために。

写真=BBM