ロッテ・鈴木昭汰

 存在感が増してきた。2020年秋のドラフト1位左腕・鈴木昭汰は4月17日の西武戦(ZOZOマリン)、2点リードの9回に登板すると、二死二塁のピンチで最後の打者・山村には右翼フェンス際への大飛球。

「行かないでくれ!」という願いが通じ、右翼・愛斗のグラブに吸い込まれてゲームセットとなった。

 4年目のプロ初セーブを記録し、お立ち台では「うれしい。これからも1試合1試合、腕を振っていきます」と満面の笑みを浮かべた。

 言葉どおりに力投を続け、4月21日の日本ハム戦(エスコンF)では三番手で7回のマウンドに上がると、力強い球でドンドン押し込んだ。

 いずれも直球で中島卓也、郡司裕也を打ち取ると、松本剛にはフルカウントから146キロで空振り三振。4月25日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)では2三振を含む三者凡退。4月27日の楽天戦(ZOZOマリン)では1点リードの7回で二死から連打を浴びて一、三塁のピンチを招いたが代打・伊藤裕季也を三ゴロに仕留め、開幕から11試合連続無失点とした。

「開幕から毎日が必死。真っすぐ主体で勝負でき、投げミスも去年より減ってきている」と手応え。

 吉井監督も「今年は真っすぐが良くて、思うところに投げられている。今のうちにコツをつかんでほしい」と期待を込めた。

「やっぱり活躍はしたいし、チームが勝つことが一番なんで、それを常に頭に置きたいです」と鈴木。覚醒の予感を漂わせる若きリリーバーが、確かな一歩を踏み出した。

写真=川口洋邦