オリックス・エスピノーザ

 異国の地で第一歩を踏み出した。今季から加入した来日1年目のエスピノーザの躍動が止まらない。

 開幕2戦目となる3月30日のソフトバンク戦(京セラドーム)で、6回82球を投じて2安打無失点の好投で初勝利をマーク。自身2度目の登板となった4月5日のロッテ戦(ZOZOマリン)では、7回5安打1失点で、2勝目を手にした。

 風の強い球場の特性を生かしてスラーブを配球に組み込んだ。「この球場に関する情報を集めて、風の強い球場だとわかっていたのでカーブとスライダーの間の軌道のボールがうまくはまりました」と分析力も見せつけた。

 ベネズエラ出身の26歳。来日までに2度の右肘のトミー・ジョン手術を経験するなど、“苦労人”でもある。「野球のキャリアを通じていろんなことを経験し、乗り越えることで強い精神力を培うことができました。だから、メンタルの部分で自信を持っています」と強い気持ちで立ち向かう。

 4月を終えた時点で4試合に登板して3勝0敗、防御率0.33の好成績を収めている。来日前には、ベネズエラ出身で前阪神のロベルト・スアレスから日本野球を教わるなど、情報を集めてきた。

 4月24日の西武戦(京セラドーム)では勝ち投手の権利を持って降板したが、守護神・平野佳が同点に追いつかれ、4勝目はならず。それでも「記録や成績より、チームが勝つことが大事」と話し「最後にチームが勝って幸せです」と笑顔。5月11日のソフトバンク戦(宮崎)では初黒星を喫したが、これからも黙々と腕を振っていく。

写真=BBM