2020年春を最後にリーグ制覇から遠ざかる



法大・吉安主将が約100人の出席者の前で、今春のリーグ戦での「V奪還」を固く誓った[写真=BBM]

 東京六大学春季リーグ戦の開幕(4月13日)を前にした法大野球部の激励会が7日、神奈川県川崎市内のホテルで行われた。法政大学野球部OB会(法友野球倶楽部)が主催し、大学、校友会、応援団関係者、オール法政神宮友の会、地元の支援者など約100人が出席した。

 法大は早大と並ぶ最多46度の優勝を誇るが、2020年春を最後にリーグ制覇から遠ざかる。会の冒頭、主催者あいさつで法友野球倶楽部・小早川毅彦会長(元広島ほか)が「桜が満開のように、法政も神宮球場で花を咲かせてほしいと思います」と話した。2月の鴨川キャンプ(Bチーム中心)から鹿児島キャンプ(Aチーム中心)と遠征を実施し、帰京後はオープン戦を消化。4月20日、立大との開幕カードへ向けた最終調整の段階に入っており、士気は高まっている。


今年1月に就任した大島監督。2021年から助監督を務めており、学生を掌握している[写真=BBM]

 今年1月1日、母校指揮官に就任した大島公一監督は「学生たちのエネルギーを感じます。選手個々に自覚と責任が芽生えており、間違いなく、神宮で練習の成果を発揮してくれると思います。野球、勝負事ですので、すべてがうまくいくとは限りません。神宮でもがき、乗り越えようとする学生たちを、後押ししていただきたいと思います」とお願いした。21年に法大助監督に就任してから4年。今年の最上級生は1年時から指導してきた学年であり、特別な思い入れがある。昨秋のリーグ戦まで率いた加藤重雄前監督から受けたバトンである、歴史と伝統をつないでいく。


大島監督をサポートする高村助監督は今年2月に就任。NPB通算83勝。楽天、ソフトバンクでコーチ歴17年とキャリアを歩み、投手指[写真=BBM]

 2月1日付で就任した高村祐助監督は、2学年先輩・大島監督のサポート役である。プロ野球の近鉄で3年、楽天で1年、同じユニフォームを着た気心が知れた仲である。高村助監督は「開幕まであと2週間。学生ともに課題を克服して、立大戦を迎えたいと思います。5カードを全力で戦った上で最後、うれしい顔をして終われるようにしたい。そして、神宮から市ヶ谷の校舎まで優勝パレードし、皆さんと歩きたいと思います」と決意を述べた。

 2024年の法大の看板は、木更津総合高出身のダブルエースである。157キロ右腕・篠木健太郎が「法政の誇りを胸にしっかり投げていきたいです」と言えば、151キロ左腕・吉鶴翔瑛は「チームの勝利につながる投球をしたいです」と背筋を伸ばした。

 投手陣を援護する打線の軸として期待される「四番・二塁」の武川廉(4年・滋賀学園高)は「打撃、守備で勝利に貢献したい。打撃タイトル三冠王(打率、本塁打、打点)が目標で、優勝へ導いた上でベストナインを受賞したい」と決意表明した。そして、最後は不動の正捕手である主将・吉安遼哉(4年・大阪桐蔭高)が「皆さんの期待にこたえられるように、精いっぱい頑張ります」と締めた。

 V奪還へ勢いをつけるためにも、立大との開幕カードが最大のポイントであると、野球部関係者は口をそろえる。法大・大島監督と、今春から指揮を執る立大・木村泰雄監督による「新指揮官対決」に注目である。

文=岡本朋祐