GWの旅行で、ホテルに泊まる人も多いのではないでしょうか。弁護士ドットコムには、ホテルの備品を壊してしまい、トラブルに発展したという相談が複数寄せられています。

ある男性は、湯沸かしポットの中にラーメンを入れて作ったことが原因で、ポットが破損したとして、ポット代6000円の弁償を請求されています。

男性は「新品の値段を払う必要ありますか?」と疑問に感じているようですが、備品を壊したり使えなくしたりした場合、いくら支払えばよいのでしょうか。佐山洸二郎弁護士に聞きました。

●新品の弁償を請求されてもおかしくない

——今回のケースに限らず、ホテルの備品を壊した場合、新品相当の金額を賠償することになるのでしょうか。

一般論としては、物を壊したら、時価相当額を弁償することになります。たとえば、交通事故で相手の車を全損させたら、同じ車種の新品ではなく、同じ年式や走行距離の中古販売価額が弁償額になることが多いです。

今回の相談ケースで考えると、ケトルは本来、お湯を沸かすものですから、ラーメンを作ることでケトルに匂いや油、色などがつき、ケトル自体が使えなくなる、つまり「壊れた」という判断になると思います。

ケトルがどのくらい古いものなのかにもよりますが、新品から中古市場価額の間で決まるでしょう。ただ、ケトルは比較的安価なものですし中古市場価格の算出自体が難しく、基本的には、新品の弁償を求められてもおかしくないと思います。

【取材協力弁護士】
佐山 洸二郎(さやま・こうじろう)弁護士
2012年に中央大学を卒業後、同大学院法務研究科卒業と司法試験合格を経て、弁護士登録。企業法務を中心に取り扱う中、ホテル・旅館業界にまだまだ行き届いていない弁護士のリーガルサービスを届けるべく、同業界に特に注力している。
事務所名:弁護士法人横浜パートナー法律事務所
事務所URL:https://www.sayama-lawoffice.com/