オーストラリアを代表する映画監督の一人である名匠ピーター・ウィアーが1975年に発表した<神話的傑作>といわれる『ピクニック at ハンギング・ロック』が、2024年5月3日(金・祝)より4Kレストア版でスクリーン上映されます。

少女たちはどこへ消えたのか……

 オーストラリアの名匠ピーター・ウィアーが1975年に発表した『ピクニック at ハンギング・ロック』が、日本劇場初公開より約40年の月日を経て4Kレストア版で美しく蘇ります。

(c) PICNIC PRODUCTIONS PTY.LTD.1975
(c) PICNIC PRODUCTIONS PTY.LTD.1975

 1900年2月14日。セイント・バレンタイン・デイに寄宿制女子学校アップルヤード・カレッジの生徒たちが、二人の教師とともに岩山ハンギング・ロックに出かけました。規律正しい生活を送ることを余儀なくされる生徒たちにとってこのピクニックは束の間の息抜きであり、生徒みんなが待ち望んでいたものでした。

 岩山では、磁力の影響からか教師たちの時計が12時ちょうどで止まってしまう不思議な現象が起こります。マリオン、ミランダ、アーマ、イディスの4人は、岩の数値を調べると言って岩山を登り始めますが、イディスは途中で怖くなり悲鳴を上げて逃げ帰ります。その後、岩に登った3人と教師マクロウが忽然と姿を消してしまい……。

 本作は1967年に発表された同名小説を基に映画化。当時批評家や観客に大きな混乱をもたらした衝撃作でありつつ、ソフィア・コッポラ監督の『ヴァージン・スーサイズ』に直接的な影響を与え、ファッション界ではラフ・シモンズやアレキサンダー・マックイーンもインスピレーション源として言及するなど、今日まで広く語り継がれる<神話的傑作>のひとつです。

ホンダ「XL600R Pharaoh(1985)」
ホンダ「XL600R Pharaoh(1985)」

 本作でその名を世界に知らしめたピーター・ウィアーは、『マッドマックス』シリーズなどで知られるジョージ・ミラーらとともに「オーストラリア・ニューウェイヴ」を代表する監督と言われるようになりました。ちなみに、その『マッドマックス』(1979年)で不良バイカーたちと死闘を繰り広げたり、『バード・オン・ワイヤー』(1990年)でホンダのXL600Rで爆走したり、『リーサル・ウェポン3』(1992年)で白バイ(カワサキKZ1000ポリス)を乗り回したり、多くの映画でバイクに乗る姿を見せてくれる名優メル・ギブソンも「オーストラリア・ニューウェイヴ」を代表する俳優の一人です。

(c) PICNIC PRODUCTIONS PTY.LTD.1975
(c) PICNIC PRODUCTIONS PTY.LTD.1975

『ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版』は、2024年5月3日(金・祝)より、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次ロードショーです。