MotoGP第5戦フランスGPが、2024年5月10日から12日にかけて、フランスのル・マン-ブガッティ・サーキットで行なわれました。佐々木歩夢選手(ヤマハVR46マスターキャンプ・チーム)は、Moto2にステップアップして初めて、22位で完走を果たしました。
レースへ復帰、初の完走を果たす
2024年シーズンからMoto2クラスにステップアップした佐々木歩夢選手(ヤマハVR46マスターキャンプ・チーム)にとって、これまでもどかしいレースが続いていました。ポルトガルGP後、両腕の腕上がりの手術を受けてアメリカズGPを欠場し、スペインGPの金曜日は走行したものの、土曜日午前中のプラクティス2で転倒を喫し、決勝レースを走ることができなかったのです。
Moto2ルーキーの佐々木選手にとって、いま最も必要なことはMoto2マシンで走行する時間です。それには、決勝レースの時間も含まれます。佐々木選手にとって、2戦の欠場はとてももどかしいものだったでしょう。フランスGPで、佐々木選手はようやく復帰戦を迎えたのでした。
初日はフィーリングが悪い出だしとなりましたが、スペインGPでの転倒の影響はなく、土曜日にはフィーリングも改善します。「ワンステップ踏めて、自分のバイクという感じがしました。やっと攻められるようになってきて、少しずつ自信もついてきています」と語っていました。
Moto3マシンとは異なる排気量(765cc)のエンジンを搭載する、Moto2マシンの乗り方への順応も進んでいます。
「冬にテストをしたとは言っても、タイムが遅過ぎたので。やっとレベルが上がってきて、その分、セットアップも改善していかないといけないところです。トップライダーは冬からトップレベルで走れますが、僕は冬のベースセットアップが(成長した分)いまの自分のレベルに合っていないんです。自分のレベルが上がったら、同じようにバイクも良くならないと。少しずつバイクも変えていきながら、明日、もうワンステップ踏めるように頑張りたいですね」
今回の決勝レースでは、なによりもまず、完走を目指して走りました。23番手からスタートして22位でゴール。Moto2の決勝レースで受けた、初めてのチェッカーでした。
「もう少しいけた気もするけど、フロントが少し切れ込んで、チャタリングもあったので、80〜90%くらいに抑えて今日は完走を目指してゴールしました。まだ改善しなくちゃいけないところもあるし、(バイクが)自分の乗り方に合っていないところもあります。ここから一歩一歩前にいけるように、頑張っていけたらいいなと思います」
完走というひとつの目標を達成した佐々木選手は、さらなる成長を目指します。
MotoGP第6戦カタルーニャGPは、5月23日から25日、スペインのバルセロナ‐カタロニア・サーキット行なわれます。
■Moto2クラスとは……
Moto2クラスは、トライアンフ「ストリートトリプルRS」の排気量765ccの3気筒エンジンをベースに開発されたオフィシャルエンジンと、シャシーコンストラクターが製作したオリジナルシャシーを組み合わせたマシンによって争われる。タイヤは2024年よりピレリのワンメイクとなった。クラスとしてはMotoGPクラスとMoto3クラスの中間に位置する。