漫画『 スナックバス江 』の自作アニメが4月9日、突如YouTubeで公開され「あまりにクオリティが高い」と原作ファンをざわつかせています。

動画は公開から1日足らずで35万回以上再生されるなど大きな話題に。投稿者は「ネメシス」という謎の人物ですが、原作者であるフォビドゥン澁川さん( @MeganeMonster )が真っ先にSNSでURLを拡散していたこともあり、ネット上ではその正体を巡ってさまざまな臆測が広がっています。一体誰の仕業なんだ……。

突然アップロードされた自作のアニメ『スナックバス江』

4月9日、YouTubeに突然アップロードされた 自作アニメ『スナックバス江』 。

投稿したユーザーは、これまで投稿した動画0本の「ネメシス」という謎のユーザーです。自作の『バス江』を投稿するために作成されたアカウントなのでしょうか。

YouTubeチャンネル『ネメシス』 / Via youtube.com

また、公開直後に『スナックバス江』の原作者であるフォビドゥン澁川さんが自身のSNSでURLを投稿。瞬く間に拡散され大きな話題となりました。

アニメは3分ほどの内容ですが、「原作の味を活かしきっている」「作者は何者なんだ」と超高評価。多くのコメントが寄せられています。

公式アニメでは表現が丸められたシーンを完全再現

原作の『スナックバス江』は、ゲームや漫画、アニメ関連のパロディや『ヤングジャンプ』をネタにしたメタフィクションなどを扱うギャグ漫画です。

スナックらしい際どい時事ネタなども扱いながら、登場人物の軽快なトーク・ツッコミが魅力の会話劇としてファンが多く存在し、2024年1月には念願のアニメ アニメ化 、地上波放送されていました。

Amazon販売ページより / Via amzn.asia

今回アップロードされた自作アニメは、そんな『スナックバス江』でも“かなり際どい”と言われている「70話」を映像化。

内容は、アメコミの『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』風の猫4人組が『ティーンエイジ・ミュータント・ネコ・チーム』として夜の街に繰り出すというものです。

原作では「トミノ」「ハヤオ」「アンノ」「シンカイ」とどこかで聞いたことのある名前の猫たちがスナックで接客されないことに腹を立て、差別について議論するという内容なのですが、地上波で放送された公式アニメでは、猫たちの名前が「猫レッド」「猫ブルー」などに改変され、「これでは元ネタが何なのかもわからない」といった批判が寄せられていました(ちなみに、パロディ元の『タートルズ』もキャラクターの名前は「レオナルド」「ラファエロ」と、芸術家がモチーフになっています)。

今回アップロードされた自作アニメでは、ほぼ原作そのままの表現で3分17秒にまとめられており、その軽快なテンポも「原作そのままだ」とファンを中心に絶賛されています。

自作アニメ『スナックバス江』

投稿者は何者!? さまざまな推測寄せられる

SNSでは、

💬「やっぱり猫チームの話は出だしだけでなく、差別に対する無自覚の話や最後のオチとか、色々大好きだわ」

💬「多分これがネタ・テンポ的に求められていた原作再現なんだろうな」

💬「理想のテンポと切れ味すぎて『これだよ、これ!』ってなってる」

と、作品のクオリティに驚く声や、

💬「投稿から2分後に『たまたま』原作者のフォビドゥン澁川先生がリポストしてバズるという……」(※編注:正しくはリポストではなく動画URLを直接投稿)

💬「地上波でできなかった内容を謎のネメシスというアカウントが作成し、権利者削除もされず、原作者のフォビドゥン先生が無言でアピールしている。……妙だな……?」

💬「ネメシスさん、お忙しいでしょうが可能であれば他の回も作っていただきたいです……」

といった、ネメシス=作者本人ではないかと推測する声など、多くのコメントが寄せられていました。(なお、作者のフォビドゥン澁川さんは今のところ、あくまで「動画のURLをSNSに貼ったのみ」であり、動画やその内容については沈黙を保っています)

この自作アニメでは、キャラクターの声にVOICEVOX「ずんだもん」などの合成音声、著作権フリーのBGM、動画編集は「ゆっくりムービーメーカー」が使用されており、決してリッチなつくりではないものの、「これが見たかった」という反応が相次いでいました。

【4月12日追記】

原作者のフォビドゥン澁川さんが4月12日、自身のXで動画について言及しました。

「動画の件ですが、アニメへの批判やアニメをお楽しみ頂いた方々を否定する為のものでは御座いません。 あくまでもオマケとして楽しんで頂けたら幸いです」