タコスやブリトーは「サンドイッチ」に分類される……? 米インディアナ州裁判所の判決が、全国的な議論を巻き起こしている。

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ことの発端は、2022年に勃発したレストランの経営者と郡の計画委員会との法廷闘争だ。

地元紙 ジャーナル・ガゼット によると2019年、マーティン・キンタナ氏がインディアナ州フォートウェインのモールに、メキシコ料理店「フェイマス・タコス」の2店舗目を開く計画を立てた。

ところが、モールとフォートウェイン市との誓約書を基に、アレン郡の計画委員会が出店を却下した。

誓約書には、出店予定だったモール内のエリアは「注文を受けてから作る」あるいは「サブウェイスタイル」の サンドイッチ販売を主な業務とし、酒を提供しないレストラン に限定すると記載されていた。

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マクドナルドやウェンディーズのようなチェーン店は除外されている。

これに対し、キンタナ氏は「タコスやブリトーもサンドイッチと変わりない」として営業許可を求め、郡を相手取り民事訴訟を起こした。

数年にわたる闘争の末、アレン郡上級裁判所のクレイグ・ボベイ判事は「ザ・フェイマス・タコス」の出店を認める判決を下した。

ボベイ判事は意見書で、「フェイマス・タコスは誓約書の条件下で営業を許される」とし、「 タコスとブリトーはメキシコ風サンドイッチ であり、誓約書は飲食店の出店をアメリカ料理としてのサンドイッチだけに制限するものではない」と述べた。

インドのナン・ラップ、ベトナム料理のバインミー、ギリシャの定番ファストフード、ギュロスなどの店も他の条件を満たせば営業が認められる。

このニュースが報じられると、「タコスとブリトーはサンドイッチなのか…?」という議題がアメリカ国内であがった。

情報番組『トゥデイ』では、「タコスはサンドイッチなのでしょうか?」と見出しを読んだアンカーに対し、別のアンカーが「ノー」と即答している。

もう1人が「賢い法的主張だと思うけど」と言うと、さらに「タコスはタコスなのに」と横槍が入る。

「私はタコスの専門家じゃないからわからないけど…」と話題は移った。

Xでは、さまざまな意見が飛び交っている。

「パンの間に具を挟んだものをサンドイッチとして、 "パン" を厳密に定義すれば、タコスも当てはまるのでは」

「個人的に、ハンバーガーもサンドイッチの部類になる」

「タコスはサンドイッチじゃない。以上。ホットドックも違う」

「そもそもタコスをファストフードだと思ってない」

大手ファストフードチェーン、タコベルもこの流れに便乗し、Xで新商品を宣伝した。

*タコベルのX「サンドイッチか、はたまたタコスか? それはあなたが決めてください。新しいクリスピー・チキン・サンドイッチ・タコスをお試しあれ」*