外を散歩中の犬が服を着ている光景はよく見かけますが、家の中にいる猫にも服を着せる場合があります。そして普段は見慣れていない分、服を着た時の猫はいつもと違った魅力的な一面を見せてくれます。

黒猫のジャムカくんが最近着るようになったのは、保育園の先生が着ているエプロンのような見た目の服。その可愛らしい姿がSNSで公開されています。

キャットタワーにちょこんと座っている黒猫ちゃん。その体には足元まである長い丈の服を身に着けていますが、デザインやサイズ感が絶妙にフィット。オレンジ色で縁取られた白いキルティング生地は真っ黒なボディーに映える鮮やかなカラーリングで、猫ちゃんの可愛らしさを引き立てているほか、前面にはトラやライオン、クジラなど動物のイラストが描かれていて、子どもだけでなく大人にも信頼感や親しみを感じさせる可愛らしいデザインです。

そんな飼い猫のエプロン姿を初めて見た飼い主さんは、可愛さよりも面白さが込み上げてきてしまったのだそうで、「あまりにちんちくりんで大笑いしました。私は保育園の先生みたいだと思いましたが、SNSのフォロワーさんや家族には「お地蔵様」「金太郎」などと呼ばれていてさらに面白かったです。」と感想を語ってくれました。

しかし、ジャムカくんはお家の中にいるのに、なぜ服を着ているのでしょうか。飼い主さんに聞いてみると、実はジャムカくんにはお腹を舐め壊し(過剰グルーミング)する癖があり、その対策として犬猫兼用の術後服を着せているのだとか。

「全身を覆う服だと猫が動けなくなってしまうので、お腹側だけ覆うものがないかと思って通販サイトを眺めていた時に、ちょうど良さそうな商品を見つけたため購入しました。」
(飼い主さん)

見た目は可愛らしいけれど、猫ちゃんと飼い主さんにとっては切実な問題だったようです。

ジャムカくんはもともと野良猫で、2022年11月(生後3ヶ月)ごろに保護された猫ちゃん。一方、飼い主さんは以前から黒猫か白黒を迎え入れたいと思っていたそうですが、そんな折、お姉さんから「野良の黒猫がいるんだけどどうする?」と連絡がきて、愛嬌たっぷりな顔や体型に魅了されたことから飼うことを決断したのだそう。

保護された頃から腹部の脱毛が少し見受けられたジャムカくんですが、本格的に症状が出始めたのは2023年の4月ごろ。動物病院を受診すると皮膚糸状菌やアトピーなどが判明したため投薬治療を開始し、その後はセカンドオピニオンまで受けたものの原因は不明で、舐め壊しが治る気配は今のところないと言います。

「心理的な要因も考えて遊ぶ時間を増やしたり、ストレスになるようなものが極力少なくするようにしていますが、それらもこれといった効果は出ていません。」
(飼い主さん)

これまでに色々な治療や対策をやってきた中で比較的効果を感じたのが、物理的に舐めないようにする服やエリザベスカラーの着用。しかし、いずれも猫の動きに制約ができてしまい逆にストレスを感じてるようだったことから、布面積が少ない現在のエプロン姿に行きついたのだとか。

その使用感については、「全身を覆う服よりも動きやすいようですが、やはり違和感があるらしく、エプロンをしている間は借りてきた猫のように大人しくなっています。そのせいか、舐める頻度も減っているので、長く続ければ毛が生える猶予ができるんじゃないかなと感じています。ただ、禿げている部分を全部隠せているわけではないので、出てしまっている部分は舐めていますね。」と、完璧とまではいかないものの、しばらく試してみる価値はありそうな様子。